北朝鮮へのエクソダス 「帰国事業」の影をたどる

テッサ・モーリス=スズキ

国際関係の大きな物語と普通の個人の小さな物語との交錯を生き生きと描き出した名著。1959年12月から始められた在日朝鮮人の北朝鮮への「帰国事業」をめぐる、日本、北朝鮮、韓国、アメリカ、ソ連、中国、赤十字社など、様々な国家や組織の利害や思惑と、(多くが半島南部出身者だった)在日朝鮮人の「帰国」にまつわる個別の事情や思いとの絡み合いが、著者の手で丹念に解きほぐされている。国際関係を身近な問題として考えたいという人に薦めたい。 (田代泰子:訳/朝日文庫)

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