銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎

ジャレド・ダイアモンド

この本は、西欧文明が歴史的になぜ地球の覇者となり得たかという疑問を、「銃・病原菌・鉄」という3つのキーワードで解き明かす。まずヨーロッパ人がインカ帝国など新大陸の先住民を植民地化できた直接の要因に、銃と鉄製の軍事技術をあげる。しかし先住民の犠牲者ではるかに多かったのは、天然痘などの旧大陸から持ち込まれた病原菌だ。人間の伝染病の多くは、家畜由来のものが多い。早くから農耕・集住化し家畜を飼っていた侵略者のヨーロッパ人に免疫力があったのに対し、先住民になかったという。著者は進化生物学者。遺伝学、行動生態学、言語学、文化人類学、政治史などさまざまな学問的成果を援用しながら、この大著を書き上げた。 (倉骨彰:訳/草思社文庫)

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