環境にやさしく安全!酵素と二酸化炭素を利用した独創的な有機合成
環境にやさしい有機合成反応
酵素を触媒として利用する、環境にやさしい有機合成反応を開発する研究を行っています。新しい酵素を探し出したり、既知の酵素の活性や安定性を向上させる研究を行ってきました。これまでに、酵素反応の溶媒に二酸化炭素を混ぜると、酵素反応が加速することを見出し、今はこの反応を医農薬中間体の合成に応用するための研究を行っています。
安全・安心な有機合成反応も
人類発展のために、有機合成反応は、あらゆる分野において永遠に必要です。しかし、現状では、枯渇する恐れがあるものや、爆発の可能性がある危険な物質を用いる場合もあります。特に、大規模な災害が発生した場合でも、安全で安心が確保できる有機合成反応の開発が待ち望まれています。そのため、酵素を触媒として利用する有機合成反応は、注目を浴びています。
二酸化炭素を溶媒とする研究は未開拓
しかし、医農薬の合成に必要な非天然の反応物を用いる場合、酵素が触媒作用を示さない場合も多々あります。解決法として酵素の変異はされてきました。しかし、それとは相補的である酵素反応の溶媒の検討に関する研究は遅れています。
さらに、二酸化炭素を有効利用して溶媒とする研究はほとんどされていません。私は、二酸化炭素を有効利用して、さらに、酵素反応により、医農薬中間体の合成を効率的に行う研究を行っています。
父親の転勤に伴いアメリカの高校に転校しました。高校の化学の授業中に、手品のような爆発実験!?のデモンストレーションがあり、びっくり、すばらしい、楽しいと思い、大学では化学を選びました。以降は、自分が選んだというよりは、開けた道を歩んできました。
大学卒業後に帰国して、一番最初に合格した大学院の、京都大学化学研究所の中村薫先生が、酵素を有機合成の触媒とする研究をされていたので、私もその研究をすることになりました。その後、龍谷大学の助手として採用していただいた研究室の原田忠夫先生に影響を受けて、二酸化炭素を使うようになりました。今は、自分が一番大切と感じる酵素と二酸化炭素を用いる研究ができて、幸せです。
「論文のリスト:大学院で研究を始めてから現在までに執筆した論文のリストを載せています。最近の論文(Paper)は、ほとんどの場合、大学や大学院で指導した研究室の学生さんが、筆頭著者となっています。無料でダウンロードできるものもあるので、検索してみてください。」
◆主な業種
(1) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品
(2) 食品・食料品・飲料品
(3) ソフトウエア、情報システム開発
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 設計・開発
(3) 生産技術(プラント系)
◆学んだことはどう生きる?
化学や食品分野が多いのですが、違う分野(情報、金融)で働いている卒業生もいます。卒業後と大学での研究の専門が完全に一致することはめずらしく、AIを利用すれば簡単に得られる知識よりは、積極的に独創的な研究を計画して遂行した経験が、就職後に生きてきます。
様々な国からの留学生と一緒に協力して研究することにより培われる国際性も重要です。例えば、博士(工学)を取得した後、大学教員を経て、ドイツの研究所(Max Planck Institute for Dynamics of Complex Technical Systems)の研究者となり、そこでの発見をもとにしてベンチャー(Eversyn)を設立した卒業生もいます。
有機化学、生物物理化学、生化学などの生命に関わる様々な分野の研究が行われていることが、東京科学大学生命理工学院の強みです。
医薬品の化学合成や食品加工に利用される“酵素” について
興味がある物の製造過程で、酵素が使われている例を探してみましょう。その酵素について、機能や立体構造などを詳しく調べてみましょう。酵素はアミノ酸がつながったものですが、その一部のアミノ酸を他のアミノ酸に変更(変異)すると、構造がどのように変化するのか、ネット上からdownloadできるソフトを使って、予想してみましょう。
Nature
専門誌であるNatureのホームページのトップページには、最新の研究成果が出ています。タイトルだけでも理解すると、今、世界でどのような研究が行われれいるのかが、わかります。ぜひ、チャレンジしてください。
[webサイトへ]
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 有機化学:有機化学を理解すると、生命の理解につながり、応用分野が広いので。 |
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| Q2.大学時代の部活・サークルは? 水泳部:楽しく生きる力のもとになっています。 |
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| Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 家庭菜園:将来の夢は環境に負荷をかけない自給自足の生活です。 |

