子ども学(子ども環境学)

激変するアジア地域の子どもの身体、生活、文化の国際比較調査を敢行


佐川哲也 先生

金沢大学 人間社会学域 地域創造学類 健康スポーツコース/人間社会環境研究科 地域創造学専攻

どんなことを研究していますか?

ネパールでは王政が倒れ、ミャンマーではクーデターによって軍事政権が誕生するなど、社会が急激に変化する国では、子どもの生活にも大きな変化が及びます。私は長年、アジアの子どものスポーツと遊びの調査に取り組んできました。最近では発育発達、遊びと労働、ライフスタイル調査など子どもの生活の基本調査を実施し、激変するアジア地域の子どもの身体・文化・生活の変化に関する国際比較研究を行いました。

タイ、ミャンマー、ネパール、日本の小学5年生と中学2年生の1万人調査

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この研究の目的は、アジア諸国の子どもの実態を総合的に把握し、学校教育に有用な資料を提供することでした。具体的に、タイ、ミャンマー、ネパールと日本の小学5年生、中学2年生を調査対象に、身体・生活・文化の視点から構成された「子ども生活基本調査」を作成しました。現地共同研究者の協力を得て、1万人を越える回答からデータは集計され、4冊の現地語の各国版、1冊の統合版の統計報告書を発行しました。

こうした子どもの生活の変化を把握することは、学術的に意義深く、同時に子どもの健康や教育を進めるための重要な資料として期待されています。

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ネパールの学校で、子どもたちに健康調査の結果について話しているところ。学校は家庭内労働から解放されて仲間との交流できる楽しい場所です。しかし、ネパールには落第があり、高校や大学まで勉強を続けるには、恵まれた経済力と学力が求められます。

学生はどんなところに就職?

分野はどう活かされる?

子どもを含む社会調査を実施した経験を活かしていると思われます。

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ヤンゴン教育大学の先生たちと記念写真。ミャンマーの正装はタイポンとロンジー(男性用の巻きスカート)。ミャンマーの人と同じ服を着ることで民族間の距離が縮まり、学術研究交流もうまく進みます。

先生の研究に挑戦しよう

子どもたちの身体発育や発達、生活の実態を明らかにしてみよう。

本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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