「知能ロボティクス」分野では、現在、様々なタイプのロボット研究が盛んですが、やはり人びとの心を打つのは、できる限りヒトの動きや機能を忠実に再現したヒューマノイドロボット=人型ロボットです。早稲田大学のロボット研究の歴史は約半世紀にもわたり、国内外で高く評価されています。私たちは、全身を用いた情動表出が可能な2足歩行ヒューマノイドロボットを開発しました。このロボットは、ユーザがロボットに対する知識を持たなくても、ロボットとのコミュニケーションが円滑にできるように、全身を使って喜怒哀楽を表現できるので、人間にとって直感的に理解しやすいようになっています。
患者役をするロボット、災害対応ロボットに注目
さらには、医療教育のために患者をシミュレーションするロボット、また、災害対応ロボットや環境モニタリングをするロボットも開発中で、一部は製品化されています。現代社会は、超高齢化、大規模災害、環境問題など多くの課題があります。そうした課題に少しでも貢献できるロボット開発が最近の研究動向と言えるでしょう。
一般的な傾向は?
- ●主な業種→ハイテク機器のメーカーなど主にメーカー、研究所や大学など
- ●主な職種→設計・開発エンジニア
分野はどう活かされる?
ハイテク製品にはロボットやメカトロニクスの技術が多く使われているため。
Think by Modeling
在野精神とチャレンジ
興味がわいたら~先生おすすめ本
歩行ロボットと人工の足
ミオミール・ヴコヴラトヴィッチ
著者は、セルビアの有名なロボット研究者。二足歩ロボット研究者にとっては言わずと知れたバイブル的な書籍である。それは、動的な歩行を行う大半の二足歩行ロボットの制御に利用されている歩行安定性の基本概念や、それを利用したロボット制御法について詳しく解説されているから。また、人間の二足歩行について詳しく解説されているため、リハビリテーションや歩行解析を行っている研究者にも非常に参考になる。 (加藤一郎、山下忠:訳/日刊工業新聞社)