情報系の本

非線形科学 同期する世界

蔵本由紀

熱帯魚の表皮に現れる美しいストライプ、化学反応が作り出す時間振動とその2次元パターンなど、自然の中には、興味深いパターンが見られる。これらのパターンが生み出される過程を、例を挙げて説明している。興味深いのは、これらのパターンは、計算機科学の分野でも多くの業績を残している研究者・チューリングが提案したある微分方程式の枠組みで記述し説明できる。この本が、身の回りに見られる自然現象に目を向けるきっかけとなるよう期待する。 (集英社新書)



サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ

下條信輔

ヒトの心というと、モノとは区別された特殊で崇高な存在として語られることが多いが、本書はそれを覆す。ヒトの心(脳)の半分は「自動機械」であり、意志や意識に関係なくプログラムされた内容をその通りに実行する、カラクリ仕掛けの人形にも近い。心の中のこの「機械」としての側面は、一般社会では「無意識」と呼ばれる。この本は、いかに「無意識」が私たちの精神活動に密接に関わっているかを、わかりやすく解説してくれる。認知科学はヒトの心、つまり脳の仕組みを科学的に探る分野であるが、心の機械的側面を認めることから始まる。「無意識」を知ることは認知科学の第一歩である。
(中公新書)



脳のなかの幽霊

V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー

著者は、アメリカの神経科医。切断した手や足がまだあると感じる「幻肢」など、様々な神経疾患の不思議な症例から、脳の働きについて解説する。とにかく不思議で面白いので、興味を持ってもらいたい。 (山下篤子:訳/角川文庫)



入門オペレーションズ・リサーチ

松井泰子、根本俊男、宇野毅明

アイスクリームの材料の在庫管理、レストランの出店、選挙の投票、結婚問題、おやつの最適な買い方等、身近な題材を例に、オペレーションズ・リサーチ(OR)という応用数学分野の学問を紹介している。入門書なのでアルゴリズムは詳細に触れていないが、ORで解かれる問題では、アルゴリズムが大きな役割を果たしている。イラストが豊富で、高校生にも親しみやすい内容。 (東海大学出版部)



人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

松尾豊

将棋や囲碁、画像認識、自動運転など、知的情報処理に関する技術革新が目覚ましいが、人工知能が人間を超えられる可能性について、高校生にも読みやすくまとめられている。特に、昨今話題の「ディープラーニング」の特徴など、人工知能ができること、これからできるようになりそうなことがわかる。人工知能の飛躍のためには、多種多様なモバイル・センサデータの集約、効率的な処理基盤の実現など「情報ネットワーク」領域のアプローチも重要な役割を担う。細分化された学問領域にとらわれず、他領域へ展開することや、逆に他領域の発想を導入するなど、「情報ネットワーク」領域へ新たな飛躍を与えられる可能性が感じられる。 (角川EPUB選書)



ネットワーク科学

増田直紀、高口太郎

インターネットはもちろんのこと、友人関係や電力などのインフラ、流行や伝染病など、世の中にすべてネットワーク? ネットワーク科学とはそれらの様々な現象のつながり方のパターンを研究する学問。その最近の研究成果が現実世界でどのように利用されているか、具体例を挙げてていねいに説明している。 (サイエンス・パレット新書)



ウェブで学ぶ オープンエデュケーションと知の革命   

梅田望夫、飯吉透

オープンエデュケーションとは、学習資源や学習活動がすべての人に開かれ共有される、文字通り「開かれた教育」のことで、今やインターネットがその原動力だ。著者は、『ウェブ進化論』で有名な梅田氏、マサチューセッツ工科大学のオープンエデュケーションを推進した飯吉氏。アメリカやヨーロッパの大学の実例を交えながら、ネットを活用したオープンエデュケーションの可能性を語る。 (ちくま新書)



データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

矢野和男

現在盛んに研究がされている「人の行動分析」について述べている本。著者は日立製作所中央研究所の所長。そこで開発されたウェアラブルセンサを身に付けてもらい、そこから得た大量なデータを分析し、人間の行動や社会現象を考える。多くの具体的な事例が載っており、これからの研究を知ることができる。 (草思社)



Unity2018入門 最新開発環境による簡単3D&2Dゲーム制作

荒川巧也、浅野祐一

最も代表的なゲーム開発環境であるUnityの入門書。ゲームやインタラクティブデジタルコンテンツは映像を用いる場合が多いが、その実現にはCG、画像処理、数学、物理などの知識やプログラミング技術が必要で、高校生にはやや敷居が高い。Unityは無料で手に入れることができ、プログラムをしなくてもリアルタイム三次元CGが制作できるので、Unityを通じてインタラクティブデジタルコンテンツの映像制作の一端を体験してもらいたい。Kinect、Oculus、LeapMotionなどのハードウェアとの連携も充実しており、プログラミング技術を習得することで多様なコンテンツ制作の可能性が広がる。本の中では簡単なゲームプログラミング方法が具体的に記述されており、ゲーム制作を通じてUnityの基礎を習得することができる。 (SBクリエイティブ)



レインマン

経営に失敗した弟が、兄の発達障害ゆえの類まれな記憶力を利用し一攫千金を狙うが…。「発達障害」によって、心のどのような機能が失われるのか、逆に得られるものは何か。ヒトの脳の潜在能力を知るきっかけになる映画である。 (ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ:主演)


関連する学問

13.IT・AIの学問をみてみよう
みらいぶっくへ ようこそ ふとした本との出会いやあなたの関心から学問・大学をみつけるサイトです。
TOPページへ