白山信仰の源流 泰澄の生涯と古代仏教
本郷真紹
白山は北陸地域にある霊山で、古くから信仰の対象となってきました。山は神が宿る所として、また神そのものとして崇められたのですが、同時に、仏教の僧には修行の場でもありました。そのような関係から、山の存在を媒介として在来の神に対する信仰と、仏教という外来の宗教の信仰が混ざり合い、神仏習合という特色ある信仰の形態を生み出したのです。
この白山を奈良時代に行場として開拓したとされる泰澄という僧の伝記から、日本古代の神仏混合の過程とその意義を探ろうとしたのが、この研究です。そこには、この地域の特色である渡来系文化の影響や、律令国家の仏教政策との関係など、興味の引かれる点がたくさん見受けられています。
(法蔵館)
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