わたしのせいじゃない せきにんについて
レイフ・クリスチャンソン、絵:ディック・ステンベリ
この絵本は、「学校の教室で、ひとりの男の子が泣いています。いったいどうしたのでしょう」という問いかけから始まります。その後、何人もの子どもたちが、悪いのはその男の子のせいだと訴え、それぞれの理由で「わたしのせいじゃない」と言い続けます。物語の後半では、学校の教室から離れて、核兵器、飢えに苦しむ子ども、大量のゴミ、銃を持つ子ども、といった写真が並び、「責任とは何か」を考えさせる構成になっています。
多様性を包摂する授業のあり方を考える上で、「責任」という観点は避けて通れない問題です。自分とは関係がなさそうなことに対して、どのように責任を持つことができるのか。「わたしのせいじゃない」という思考ではなく、「わたしの問題である」という思考を育てることが、国語科授業を含む、すべての授業で求められています。
(訳:二文字理明/岩崎書店)
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