自分のこころからよむ臨床心理学入門

丹野義彦、坂本真士

本書の特徴は3つある。一つ目は、生徒や学生が陥りやすい不適応である抑うつ、対人不安、妄想と自我障害を取り上げている点。二つ目は、不適応に関して社会心理学からも説明しており、臨床心理学だけでなく社会心理学についても知ることができる点。三つ目は、心理学的な研究成果をもとに、自分のこころを通した「一人称的」な理解も可能となる点だ。臨床心理学には多くの良書があるが、臨床経験のない初学者には難しいことが多い。本書では、心理学的な知識に基づいて自分を理解し、不適応に陥る前に自分で気づいて対応できるようになることを意図している点で、それらよりも身近に読むことができるだろう。 (東京大学出版会)

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