動物・植物・魚って、農業・水産業って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

食・農学系

プラントハンター

白幡洋三郎

世界の珍奇な植物や美しい植物を紹介しながら、それらを持たざる国がいかに躍起になって収集してきたかを伝える。植物の育種技術が社会の要請とどのように関わってきたかを、プラントハンターという一群の収集家の人々の行動から考えさせられる。この本では、歴史と農学の両面にまたがりながらバランス良く論じられており、高校生が知らないであろう面白いエピソードも満載されている。文理融合はこれらからの若い人には不可欠の視点であるが、それを現場で考える、しっかりした資料で実証する姿勢が重要であり、この本はそれがしっかりと感じられる。 (講談社学術文庫)



森林飽和 国土の変貌を考える

太田猛彦

森林科学科に入学する新入生の多くは自然に対するあこがれを抱いている。「身近で森林伐採が行われていたから森林破壊を防止したい」という志望動機を持っている場合が多い。しかしこの本はこれとはまったく逆のことを訴える。国挙げての植林活動の結果、これ以上その必要性がないほど、いまや日本の森林は飽和状態だというのだ。すなわち、今現実に日本で起きているのはまったく違う問題であることに気がつかせてくれる。森林を学ぶにあたり、ステレオタイプな考えかたでなく、保全・保護の観点、利用の観点、共生の観点など、さまざまな立場からの新しい視点で捉えられると理解が深まる。また、その複雑さが森林科学の魅力であると思われる。 (NHKブックス)



食・農学系

ありがとう、実験動物たち

太田京子

東北大学の動物実験施設で働く女性を描いたノンフィクション。動物実験がなぜ必要か、また、医学研究における動物実験の現場で行われている実験動物に対する福祉が理解できる。 (笠井憲雪:監/岩崎書店)



食・農学系

見えない巨人 微生物

別府輝彦

一匹一匹は目に見えない微生物が、いかに我々の身近に存在しているかを知ることが出来る。この本では「発酵」「病気」「環境」の観点から微生物の働きを解説しており、よく知っている食品や医薬品が微生物の力で作られていることを具体的に知ることが出来る。微生物には病原性のものもあり、遠ざけたい種類もあるが、人の役に立っている安全な微生物の存在や、自分の身体を守ってくれているたくさんの微生物にも注目して欲しい。さらに、まだまだ分からないことがたくさんある微生物の世界に関心を持ち、そうした研究に興味を持ってほしい。 (ベレ出版)



プラントハンター 命を懸けて花を追う

西畠清順

プラントハンターとは、観賞用植物の新種や有用植物を求め世界を探索する人を呼ぶ。もともと17世紀以降にイギリスやオランダで発展したこの役割だが、この本は現代の日本人プラントハンターの冒険記だ。今を生きるプラントハンターの生きざまは魅力的で、一気に読み進められるだろう。 (徳間書店)



水の未来 グローバルリスクと日本

沖大幹

著者は水文学者、気象予報士。水文学とは、地球上の水の循環について研究する科学のことだ。主に河川、湖沼、地下水を対象に、地球上の水資源の循環を研究する。温暖化の影響で自然現象としての洪水や干ばつの回数がどう変わり、それによって社会にどれだけの人的・経済的影響を与えるかを、重要な提言を続けている。この本は、水資源と食料の関係、農業の将来について科学的な観点からくわしく説明されている。それは地域環境工学という学問とも関係の深い領域である。 (岩波新書)



食・農学系

チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話 植物病理学入門

ニコラス・マネー

表題のチョコレートとは原料のカカオのことだ。カカオ栽培が、カビ・キノコの病害で激減したことを指している。この本は、ほかにも歴史上破滅的な被害をもたらした菌類による植物の病気について記載している。植物病理学について歴史を通して触れることができる。この本を読むと、植物の病気について研究し、その病気に対する防除法を開発する「植物保護科学」の重要性が理解できる。 (小川真:訳/築地書館)



フグはフグ毒をつくらない

野口玉雄

日本人の多くが興味を持つ、フグとその毒を通して、生態学から生物学、社会学に至るまで、幅広い分野を知ることができる。フグ毒研究の第一人者が、自らの研究成果を分かりやすくまとめた一冊である。 (成山堂書店)



食・農学系

植物のこころ

塚谷裕一

著者は発生生物学、系統分類学を専門にする植物学者で、そのユニークな着眼は本書でも発揮。植物の器官が分化し多様化していく遺伝子群の働きを説明し、多様に進化した植物としてつる植物、着生や寄生する植物、昆虫と共生する植物や食虫植物などの特異な環境に適応した植物の戦略について、植物の感覚の鋭い戦略や特異な環境に適応した植物などを“植物のこころ”という題名で言い表し書き綴っている。 (岩波新書)



食・農学系

栽培植物と農耕の起源

中尾佐助

野生植物が人間の手によってどのように作物になったのか、そもそも作物とは何か、遺伝学、地理学、歴史学、文化人類学の総合的見地から明らかにした本。作物や農業は人類1万年の努力の産物であることがわかる。野生植物と異なる作物の特徴とは高い生産性だけではなく、個体間の生育の一様性の高さにもある。これらは現代の作物生産を保障する基礎的性質だが、さらに改良を図るためには作物の性質の過去からの変化とその変化を実現した機構を知る必要がある。それらがていねいに描かれている。著者は1958年に単身ブータンを探検しこの小王国の自然と社会を日本にはじめて紹介した名著「秘境ブータン」(岩波現代文庫)がある。あわせて勧めたい。 (岩波新書)



食・農学系

ミジンコはすごい!

花里孝幸

ミジンコの生態を中学生程度を対象に解説した本だが、大人が読んでも非常に分かりやすく興味深い。ミジンコというきわめて小さな生物を通して、その生存戦略や生態系における重要性、我々人類の自然への接し方を考えさせられる。 (岩波ジュニア新書)



割り箸が地域と地球を救う

JUON(樹恩)NETWORK、佐藤敬一、鹿住貴之

大学生や市民に森林や木材利用を理解してもらうために、あえて、間伐材から割り箸を製造し、大学生協の食堂で利用する運動を展開したことが書かれている。間伐材とは森林の成長過程で密集化する立木を間引く間伐の過程で発生する木材。20年前は間伐材という言葉も一般的ではなく、木材利用=森林破壊と言われていた。しかし、地球温暖化防止の吸収源対策として、健全な森林の維持や適正な森林の管理のために、間伐材割り箸を通して、木材栄養、木質バイオマスの利用の啓発を行う内容になっている。著者のJUON(樹恩) NETWORKは、大学生協の呼びかけで1998年に設立されたNPO法人である。 (創森社)



水から出た魚たち ムツゴロウとトビハゼの挑戦

田北徹、石松惇

干潟という特徴のある海に住むムツゴロウとトビハゼは、水の中ではなく干潟表面を主な生活の場としているが、どうやってこのような暮らし方になったのだろうか。この本は、ムツゴロウとトビハゼの生物学的な面白さに加え、干潟の重要性も理解させてくれる。また、トビハゼ類の養殖や漁法・料理方法まで広く紹介している。この本を通して、生物の面白さや干潟・海洋環境の重要性に気づいてほしいと思う。 (海游舎)



家政・生活、デザイン系

食欲の科学

櫻井武

食欲はどのように調節されているのかについて、最新の研究成果を交えてわかりやすく説明された良書。食生活学や栄養学は、食事として栄養素をどのように摂取すれば良いかを考える学問だ。食欲は、食事、すなわち栄養を摂取する上で重要な決定因子であるため、それを取り上げる本書は一読に値する。 (ブルーバックス)



食・農学系

植物は感じて生きている

滝澤美奈子

水やミネラルなどの植物栄養も含めて、さまざまな環境要因に植物がどのように応答しているか、科学ジャーナリストの手でわかりやすく書かれている。植物は食糧と資材の生産を通じて人類の生活に大きな恵みを与えてくれている。また地球環境においても植物はなくてならない。しかしその割に私たちは、植物が生きるしくみ、特にさまざまな環境変化にダイナミックに応答しているメカニズムをあまり理解しないでいる。この本は植物の巧妙な環境適応機構について、それを研究者はどのように研究しているか、実際の研究現場でのインタビューを通じてわかりやすく教えてくれる。

(日本植物生理学会:編/化学同人)



食・農学系

人を助けるへんな細菌すごい細菌 ココまで進んだ細菌利用

中西貴之

よく耳にする身近な細菌から、驚くべき生態を持つ細菌まで、様々な細菌が登場。実際にどのように微生物が利用されているか、またこれからどのように利用される可能性があるかという話が、とてもわかりやすく紹介されてる。 (技術評論社)



食・農学系

木のびっくり話100

日本木材学会:編

日本木材学会に所属するさまざまな木材研究者が、一般向けに書いた本。木材にまつわるさまざまな100のトピックスについて、専門用語、化学式、数式などを極力用いずにわかりやすく書かれている。それぞれのトピックスは見開きの2ページで完結しているため、最初から読む必要はなく、気軽にどこからでも読める。木材の物理的性質、化学的性質だけでなく、木材がいかに地球温暖化防止に寄与しているか、木材が未来を切り拓く先端材料であることなどが理解できる。また昔ながらの木の使い方、これからの木の使われ方、地球環境の保全における木の役割など、木の意外な面を知ることができる。 (講談社)



食・農学系

フグ毒のなぞを追って

清水潮

フグ毒は、テトロドトキシンという神経毒だ。古来よりフグ毒に当たって亡くなった人は多数いるが、同じ種類のフグであっても育った環境によって毒の量が極端に異なることがわかってきた。外の環境と一切接触させることがないようにフグを完全養殖すると、ほとんど無毒の養殖フグができるという。本書では、海洋生態系や海洋微生物、そこでの食う・食われるといった食物連鎖の関係、魚類の完全養殖について解説しており、これらを知らず知らずのうちに学ぶことができる。 (裳華房)



もう牛を食べても安心か

福岡伸一

著者は分子生物学者であり、『生物と無生物のあいだ』でベストセラーとなった作家。この本は、日本に狂牛病の牛が発生したと大騒ぎになった頃に出版された。国内牛丼チェーンが米国産牛肉の輸入禁止により牛丼を2年以上販売中止するなど、まだ記憶に新しい。その後さまざまな日本の取り組みにより収束しているが、この本で、狂牛病がどのような経緯で発生したのか、同時に食の安全がどのように脅かされるのかを理解してほしい。食べることの意味を理解するにも適切な本ではないかと思われる。 (文春新書)



食・農学系

動物たちの不思議に迫る バイオロギング

日本バイオロギング研究会:編

バイオロギング(Bio logging)とは、バイオ(生き物)+ロギング(記録をとる)の合成語で、日本で生まれた新しい造語にもかかわらず、動物学の世界ではすでに一般的に使われるまでになっているという。動物の行動や生態を調べる一つの方法として、機械を取り付けて調べるというものがあるが、その方法と成果について述べられている本。最新の機械の説明や、今まで全くわからなかった動物の生態なども書かれており、楽しんで読んでもらいたい。 (京都通信社)


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