動物・植物・魚って、農業・水産業って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

食・農学系

フグ毒のなぞを追って

清水潮

フグ毒は、テトロドトキシンという神経毒だ。古来よりフグ毒に当たって亡くなった人は多数いるが、同じ種類のフグであっても育った環境によって毒の量が極端に異なることがわかってきた。外の環境と一切接触させることがないようにフグを完全養殖すると、ほとんど無毒の養殖フグができるという。本書では、海洋生態系や海洋微生物、そこでの食う・食われるといった食物連鎖の関係、魚類の完全養殖について解説しており、これらを知らず知らずのうちに学ぶことができる。 (裳華房)



カラー図解アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学

デイヴィッド・サダヴァ

アメリカの大学で使われている生物学の教科書から分野ごとに抽出して翻訳したもの。高校の生物教科書では知ることのできない生物に関する深い知識を得ることができる。高校生と大学生を対象にしているので、気軽に読むことができる。ブルーバックスで第1巻 細胞生物学に続いて、第2巻 分子遺伝学、第3巻 分子生物学、第4巻 進化生物学、第5巻 生態学まで出ている。 (丸山敬、石崎泰樹:訳/ブルーバックス)



日本農業の真実

生源寺眞一

2010年頃の日本農業をめぐる諸状況を簡潔にまとめた本。農業経済学という学問の立場から見ても、日本農業の強みと弱みを歴史的にわかりやすく解説している。農業政策、農業・農村問題が中心だが、広く食料や環境の問題を考える上でも必要不可欠な知識を得ることができるだろう。有限である資源を効率的に利用し持続可能な形で利用していく循環型社会、とくに日本の食料やエネルギー循環を巡る、農山村の地域社会の問題を考える上でも基本的な内容がわかりやすく書かれている。 (ちくま新書)



森林飽和 国土の変貌を考える

太田猛彦

森林科学科に入学する新入生の多くは自然に対するあこがれを抱いている。「身近で森林伐採が行われていたから森林破壊を防止したい」という志望動機を持っている場合が多い。しかしこの本はこれとはまったく逆のことを訴える。国挙げての植林活動の結果、これ以上その必要性がないほど、いまや日本の森林は飽和状態だというのだ。すなわち、今現実に日本で起きているのはまったく違う問題であることに気がつかせてくれる。森林を学ぶにあたり、ステレオタイプな考えかたでなく、保全・保護の観点、利用の観点、共生の観点など、さまざまな立場からの新しい視点で捉えられると理解が深まる。また、その複雑さが森林科学の魅力であると思われる。 (NHKブックス)



食・農学系

チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話 植物病理学入門

ニコラス・マネー

表題のチョコレートとは原料のカカオのことだ。カカオ栽培が、カビ・キノコの病害で激減したことを指している。この本は、ほかにも歴史上破滅的な被害をもたらした菌類による植物の病気について記載している。植物病理学について歴史を通して触れることができる。この本を読むと、植物の病気について研究し、その病気に対する防除法を開発する「植物保護科学」の重要性が理解できる。 (小川真:訳/築地書館)



ミミズと土

チャールズ・ダーウィン

視点を変えながら繰り返し観察することを通じて、ミミズの神秘に近づいていく過程が大変面白い。そしてこのミミズの観察を大地の成り立ちの考察に発展させる過程が、とても読み応えがある。自然を観察することの喜びを教えてくれる一冊。 (渡辺弘之:訳/平凡社)



木材なんでも小事典 秘密に迫る新知識76

木質科学研究所木悠会:編

優れた生物材料としての木材は、二酸化炭素を吸収し酸素を供給することで地球環境を救っている。木との長い歴史、木材を利用する文化史、木材加工の仕方のコツまで、この本を読めば木材のあらゆる性質、利用方法を理解できるだろう。 (ブルーバックス)



食・農学系

銀の匙 Silver Spoon

荒川弘

この漫画は、牛や豚、鶏などの家畜と呼ばれる動物たちが、現在どのように飼育されているか、またそれを取り巻く畜産業という産業がどのような状況にあるかを、農業高校生の視点を通してわかりやすく伝えている。著者は、酪農家出身そして農業高校出身者であるので、漫画でありながら背景となる知識や描写はかなり正確に描かれている。漫画という媒体を通して、「動物生産科学」という食肉の生産現場を扱う学問を知ってもらうことができる。 (少年サンデーコミックス)



食・農学系

プラントハンター

白幡洋三郎

世界の珍奇な植物や美しい植物を紹介しながら、それらを持たざる国がいかに躍起になって収集してきたかを伝える。植物の育種技術が社会の要請とどのように関わってきたかを、プラントハンターという一群の収集家の人々の行動から考えさせられる。この本では、歴史と農学の両面にまたがりながらバランス良く論じられており、高校生が知らないであろう面白いエピソードも満載されている。文理融合はこれらからの若い人には不可欠の視点であるが、それを現場で考える、しっかりした資料で実証する姿勢が重要であり、この本はそれがしっかりと感じられる。 (講談社学術文庫)



里山資本主義

藻谷浩介

著者は日本開発銀行(日本政策投資銀行)などを経て、地域経済、観光、人口動態を詳細に調査する地域エコノミスト。同氏は本のタイトルになった里山資本主義を「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、あらかじめ用意しておこうという実践である」と言っている。この本は、森林と共生する生活・社会のあり方を考える上で、興味深い実例がいくつか紹介されている。グローバル化が進む社会において、また違う価値観を提案するものとして興味深く読める。 (NHK広島取材班/角川新書)



食・農学系

植物は感じて生きている

滝澤美奈子

水やミネラルなどの植物栄養も含めて、さまざまな環境要因に植物がどのように応答しているか、科学ジャーナリストの手でわかりやすく書かれている。植物は食糧と資材の生産を通じて人類の生活に大きな恵みを与えてくれている。また地球環境においても植物はなくてならない。しかしその割に私たちは、植物が生きるしくみ、特にさまざまな環境変化にダイナミックに応答しているメカニズムをあまり理解しないでいる。この本は植物の巧妙な環境適応機構について、それを研究者はどのように研究しているか、実際の研究現場でのインタビューを通じてわかりやすく教えてくれる。

(日本植物生理学会:編/化学同人)



18cmの奇跡

陽捷行

表題の「18センチ」とは、植物の生育に必要な平均的な土壌の深さのことだ。地球の大部分はマグマと岩石に覆われ、岩石が風化し細かい粒子の砂土になり、そこに生物が腐敗し微生物が混じった、18センチの層を土壌と呼ぶ。人類が生きるために使える土壌はたったそれだけなのだという。著者の専門は土壌学。自然農法を学べる(財)農業・環境・健康研究所 農業大学校の校長である。 (三五館)



食・農学系

栽培植物と農耕の起源

中尾佐助

野生植物が人間の手によってどのように作物になったのか、そもそも作物とは何か、遺伝学、地理学、歴史学、文化人類学の総合的見地から明らかにした本。作物や農業は人類1万年の努力の産物であることがわかる。野生植物と異なる作物の特徴とは高い生産性だけではなく、個体間の生育の一様性の高さにもある。これらは現代の作物生産を保障する基礎的性質だが、さらに改良を図るためには作物の性質の過去からの変化とその変化を実現した機構を知る必要がある。それらがていねいに描かれている。著者は1958年に単身ブータンを探検しこの小王国の自然と社会を日本にはじめて紹介した名著「秘境ブータン」(岩波現代文庫)がある。あわせて勧めたい。 (岩波新書)



家政・生活、デザイン系

栄養学を拓いた巨人たち

杉晴夫

現在の栄養学がどのようにして発展してきたのかについて、関わった研究者たちの苦労を交えてわかりやすく解説している本。エネルギー、三大栄養素、消化と吸収、ビタミン、ATPなど、今日では当たり前のことが明らかにされるまでには、想像を絶するような苦難や論争があった。また、併せて日本における栄養学の発展の歴史から現在の課題についても記されている。栄養学は、純粋な科学としての学問体系の一つであると同時に、人の健康増進を図るための「実践の学問」でもある。本書は、単に栄養学の知識を得るためのものではなく、栄養学とはどうあるべきかを考えさせてくれる良書であり、栄養学を目指す学生さんには一読を勧めたい。 (ブルーバックス)



プラントハンター 命を懸けて花を追う

西畠清順

プラントハンターとは、観賞用植物の新種や有用植物を求め世界を探索する人を呼ぶ。もともと17世紀以降にイギリスやオランダで発展したこの役割だが、この本は現代の日本人プラントハンターの冒険記だ。今を生きるプラントハンターの生きざまは魅力的で、一気に読み進められるだろう。 (徳間書店)



食・農学系

人を助けるへんな細菌すごい細菌 ココまで進んだ細菌利用

中西貴之

よく耳にする身近な細菌から、驚くべき生態を持つ細菌まで、様々な細菌が登場。実際にどのように微生物が利用されているか、またこれからどのように利用される可能性があるかという話が、とてもわかりやすく紹介されてる。 (技術評論社)



バイオ工学系

水とはなにか ミクロに見たそのふるまい

上平恒

身近な水で特殊な性質に、4℃で密度最大になることがある。その理由だが、氷になると液体の水より体積が大きい(密度が小さい)が、温度が上げていくと氷が溶け、氷の結晶構造の隙間に水分子が入り込み、密度は上昇する。4℃を越えると氷の結晶はなくなり逆に水分子の運動が激しくなり拡散されるので、密度は減る。だから水は4℃で密度は最大というわけだ。それがどうしたと言われそうだが、この本はそれが生きものの生活環境において重要な役割を果たしていると述べている。初版は1977年に出た本だが、息長く読み継がれ、この本は2009年に新装版として発刊された。 (ブルーバックス)



ダーウィン以来 進化論への招待

スティーブン・グールド

著者はアメリカの古生物学者、進化生物学者。ダーウィン主義をベースにした進化論の論客。博学の科学エッセイストとして活躍し、今日最も広く読まれる大衆科学作家の一人。生物学を学ぶためには、そのバックボーンとなる進化を知らなければならない。この本は、生物の進化に対する考え方を、著者のユニークな見解と膨大な知識を通して面白く伝えてくれる。 (浦本昌紀、寺田鴻:訳/ハヤカワ文庫)



食・農学系

動物たちの不思議に迫る バイオロギング

日本バイオロギング研究会:編

バイオロギング(Bio logging)とは、バイオ(生き物)+ロギング(記録をとる)の合成語で、日本で生まれた新しい造語にもかかわらず、動物学の世界ではすでに一般的に使われるまでになっているという。動物の行動や生態を調べる一つの方法として、機械を取り付けて調べるというものがあるが、その方法と成果について述べられている本。最新の機械の説明や、今まで全くわからなかった動物の生態なども書かれており、楽しんで読んでもらいたい。 (京都通信社)



食・農学系

見えない巨人 微生物

別府輝彦

一匹一匹は目に見えない微生物が、いかに我々の身近に存在しているかを知ることが出来る。この本では「発酵」「病気」「環境」の観点から微生物の働きを解説しており、よく知っている食品や医薬品が微生物の力で作られていることを具体的に知ることが出来る。微生物には病原性のものもあり、遠ざけたい種類もあるが、人の役に立っている安全な微生物の存在や、自分の身体を守ってくれているたくさんの微生物にも注目して欲しい。さらに、まだまだ分からないことがたくさんある微生物の世界に関心を持ち、そうした研究に興味を持ってほしい。 (ベレ出版)


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