動物・植物・魚って、農業・水産業って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

食・農学系

動物たちの不思議に迫る バイオロギング

日本バイオロギング研究会:編

バイオロギング(Bio logging)とは、バイオ(生き物)+ロギング(記録をとる)の合成語で、日本で生まれた新しい造語にもかかわらず、動物学の世界ではすでに一般的に使われるまでになっているという。動物の行動や生態を調べる一つの方法として、機械を取り付けて調べるというものがあるが、その方法と成果について述べられている本。最新の機械の説明や、今まで全くわからなかった動物の生態なども書かれており、楽しんで読んでもらいたい。 (京都通信社)



食・農学系

植物で未来をつくる

松永和紀

植物科学分野の研究者へのインタビューに基づき、植物のゲノムや遺伝子に関する研究の実例や成果をわかりやすく解説している。毎回違ったサイエンスライターが植物科学の研究者たちを訪ね、植物研究の面白さをレポートする全5冊の「まるかじり叢書シリーズ」の1冊。 (化学同人)



木材なんでも小事典 秘密に迫る新知識76

木質科学研究所木悠会:編

優れた生物材料としての木材は、二酸化炭素を吸収し酸素を供給することで地球環境を救っている。木との長い歴史、木材を利用する文化史、木材加工の仕方のコツまで、この本を読めば木材のあらゆる性質、利用方法を理解できるだろう。 (ブルーバックス)



ミミズと土

チャールズ・ダーウィン

視点を変えながら繰り返し観察することを通じて、ミミズの神秘に近づいていく過程が大変面白い。そしてこのミミズの観察を大地の成り立ちの考察に発展させる過程が、とても読み応えがある。自然を観察することの喜びを教えてくれる一冊。 (渡辺弘之:訳/平凡社)



食・農学系

フグ毒のなぞを追って

清水潮

フグ毒は、テトロドトキシンという神経毒だ。古来よりフグ毒に当たって亡くなった人は多数いるが、同じ種類のフグであっても育った環境によって毒の量が極端に異なることがわかってきた。外の環境と一切接触させることがないようにフグを完全養殖すると、ほとんど無毒の養殖フグができるという。本書では、海洋生態系や海洋微生物、そこでの食う・食われるといった食物連鎖の関係、魚類の完全養殖について解説しており、これらを知らず知らずのうちに学ぶことができる。 (裳華房)



生態系を蘇らせる

鷲谷いづみ

私たちは自然環境や生態系から、様々な恩恵を受けている。その生態系がいかに脆いものであり、貴重であるかということがわかる事例を紹介する。たとえば、灌漑農地が広がる砂漠地帯に忽然と現れるラスベガス。この巨大都市の成り立ちなどを振り返り、それらを通して生態系の意味や蘇生について考える。 (NHKブックス)



割り箸が地域と地球を救う

JUON(樹恩)NETWORK、佐藤敬一、鹿住貴之

大学生や市民に森林や木材利用を理解してもらうために、あえて、間伐材から割り箸を製造し、大学生協の食堂で利用する運動を展開したことが書かれている。間伐材とは森林の成長過程で密集化する立木を間引く間伐の過程で発生する木材。20年前は間伐材という言葉も一般的ではなく、木材利用=森林破壊と言われていた。しかし、地球温暖化防止の吸収源対策として、健全な森林の維持や適正な森林の管理のために、間伐材割り箸を通して、木材栄養、木質バイオマスの利用の啓発を行う内容になっている。著者のJUON(樹恩) NETWORKは、大学生協の呼びかけで1998年に設立されたNPO法人である。 (創森社)



カラー図解アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学

デイヴィッド・サダヴァ

アメリカの大学で使われている生物学の教科書から分野ごとに抽出して翻訳したもの。高校の生物教科書では知ることのできない生物に関する深い知識を得ることができる。高校生と大学生を対象にしているので、気軽に読むことができる。ブルーバックスで第1巻 細胞生物学に続いて、第2巻 分子遺伝学、第3巻 分子生物学、第4巻 進化生物学、第5巻 生態学まで出ている。 (丸山敬、石崎泰樹:訳/ブルーバックス)



プラントハンター 命を懸けて花を追う

西畠清順

プラントハンターとは、観賞用植物の新種や有用植物を求め世界を探索する人を呼ぶ。もともと17世紀以降にイギリスやオランダで発展したこの役割だが、この本は現代の日本人プラントハンターの冒険記だ。今を生きるプラントハンターの生きざまは魅力的で、一気に読み進められるだろう。 (徳間書店)



魚の卵のはなし

平井明夫

魚卵には様々な形があり、また産み付けられる場所や生き残りの方法も様々だ。産業としても大きな市場を持つ魚卵だが、世の中に知られていないこともたくさんある。この本は、魚卵の世界で起こっている不思議を、分かりやすく解説している。 (成山堂書店)



食・農学系

栽培植物と農耕の起源

中尾佐助

野生植物が人間の手によってどのように作物になったのか、そもそも作物とは何か、遺伝学、地理学、歴史学、文化人類学の総合的見地から明らかにした本。作物や農業は人類1万年の努力の産物であることがわかる。野生植物と異なる作物の特徴とは高い生産性だけではなく、個体間の生育の一様性の高さにもある。これらは現代の作物生産を保障する基礎的性質だが、さらに改良を図るためには作物の性質の過去からの変化とその変化を実現した機構を知る必要がある。それらがていねいに描かれている。著者は1958年に単身ブータンを探検しこの小王国の自然と社会を日本にはじめて紹介した名著「秘境ブータン」(岩波現代文庫)がある。あわせて勧めたい。 (岩波新書)



食・農学系

植物は感じて生きている

滝澤美奈子

水やミネラルなどの植物栄養も含めて、さまざまな環境要因に植物がどのように応答しているか、科学ジャーナリストの手でわかりやすく書かれている。植物は食糧と資材の生産を通じて人類の生活に大きな恵みを与えてくれている。また地球環境においても植物はなくてならない。しかしその割に私たちは、植物が生きるしくみ、特にさまざまな環境変化にダイナミックに応答しているメカニズムをあまり理解しないでいる。この本は植物の巧妙な環境適応機構について、それを研究者はどのように研究しているか、実際の研究現場でのインタビューを通じてわかりやすく教えてくれる。 (日本植物生理学会:編/化学同人)



里山資本主義

藻谷浩介

著者は日本開発銀行(日本政策投資銀行)などを経て、地域経済、観光、人口動態を詳細に調査する地域エコノミスト。同氏は本のタイトルになった里山資本主義を「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、あらかじめ用意しておこうという実践である」と言っている。この本は、森林と共生する生活・社会のあり方を考える上で、興味深い実例がいくつか紹介されている。グローバル化が進む社会において、また違う価値観を提案するものとして興味深く読める。 (NHK広島取材班/角川新書)



もう牛を食べても安心か

福岡伸一

著者は分子生物学者であり、『生物と無生物のあいだ』でベストセラーとなった作家。この本は、日本に狂牛病の牛が発生したと大騒ぎになった頃に出版された。国内牛丼チェーンが米国産牛肉の輸入禁止により牛丼を2年以上販売中止するなど、まだ記憶に新しい。その後さまざまな日本の取り組みにより収束しているが、この本で、狂牛病がどのような経緯で発生したのか、同時に食の安全がどのように脅かされるのかを理解してほしい。食べることの意味を理解するにも適切な本ではないかと思われる。 (文春新書)



食・農学系

プラントハンター

白幡洋三郎

世界の珍奇な植物や美しい植物を紹介しながら、それらを持たざる国がいかに躍起になって収集してきたかを伝える。植物の育種技術が社会の要請とどのように関わってきたかを、プラントハンターという一群の収集家の人々の行動から考えさせられる。この本では、歴史と農学の両面にまたがりながらバランス良く論じられており、高校生が知らないであろう面白いエピソードも満載されている。文理融合はこれらからの若い人には不可欠の視点であるが、それを現場で考える、しっかりした資料で実証する姿勢が重要であり、この本はそれがしっかりと感じられる。 (講談社学術文庫)



食・農学系

サバからマグロが産まれる!?

吉崎吾朗

激減するクロマグロの代理としてサバを代理の親にしてマグロを産ませることはできるのか。その研究に迫る。養殖生産魚をよりよいものにするために、魚の細胞にいかにアプローチしてきたか、またはしているかを読み取ってほしい。 (岩波科学ライブラリー)



食・農学系

進化し続ける植物たち

葛西奈津子

地球上ではじめて光合成をおこない酸素を作り出し、自ら栄養を作り出した――植物という生き方を選んだ藻類研究にはじまり、化石が語る植物と地球環境の歩みや植物の形の多様性を生んだ遺伝子の進化の足跡をたどり、植物と微生物の共進化を紹介する。この本は植物の「進化」をキーワードに、その研究の面白さをレポートする。作物の生産性向上のためにはまず、植物が持つ性質や特徴を十分に理解する必要がある。それについてのケーススタディーのような位置付けの本と言える。本書は、「植物まるかじり叢書シリーズ」全5冊の1冊。サイエンスライターが植物科学の研究者たちを訪ね、植物研究の面白さをレポート、日本植物生理学会が監修をする。他には、『植物が地球をかえた!』、『植物は感じて生きている』、『花はなぜ咲くの?』など。 (日本植物生理学会:編/化学同人)



食・農学系

昆虫はすごい

丸山宗利

昆虫は、世界のさまざまな気候、環境に適応しており、種多様性が非常に高い。昆虫綱全体で80万種以上が知られている。これは現在知られている生物種の半分以上に相当する。昆虫は地球の歴史上、4億年前、すでに出現している。つまり、人類などとは別の意味で進化的に最も成功した生物が昆虫なのだ。著者はアリと共生する昆虫の多様性解明が専門の昆虫学者。昆虫科学という学問に関する現代の一般的読みものといえばこれ!と言えるだろう。 (光文社新書)



食・農学系

働かないアリに意義がある

長谷川英祐

この本は、いわゆるニート問題をアリの行動から生物学的に解釈する道をあたえ、世間の注目を昆虫科学に集めたことで高く評価できる。「働き者」の代名詞の働きアリは実はほとんどの時間何もせずだらだら過ごしていること、個体ごとにみるとまったく働いていないものもいることを示し、そしてなぜそうなのか科学的に解き明かそうとしたこと、このような切り口は、高校生の知的好奇心をくすぐると思われる。ただし、昆虫科学という学問の専門的観点からは内容には誇張や誤りも多いという。 (メディアファクトリー新書)



食・農学系

おいしい穀物の科学

井上直人

著者は作物生産科学という学問から、「穀物の美味しさは風土によって作られる」と言う。風土とは土壌、水、風、精密な栽培技術などのことで、それらの要因と相関関係を研究。勘に頼った穀物栽培から脱出し、おいしい穀物の科学をめざす。現代の作物とその生産の特徴や食品としての特徴、さらには地球温暖化への対応、環境負荷の少ない栽培技術についてわかりやすく解説している。 (ブルーバックス)


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