微生物を用いた汚染地下水の浄化 バイオガス発電・微生物燃料電池も
微生物が環境バイオテクノロジーを生み出す
私の研究室では、特に水環境に生息する微生物を用いた環境浄化研究に取り組んでいます。
地球には、炭素重量換算で地球上のバイオマスの17%を占める微生物が存在しますが、私たちは特に酸素が存在しない嫌気環境で生育する微生物を用いた環境浄化技術の確立を目指しています。
人間は炭水化物を二酸化炭素へ酸化する過程で放出した電子を酸素に受け渡し水に還元する呼吸により生きていますが、無酸素環境では、微生物が酸素に代わる電子の受容体として多様な物質を用いており、この微生物代謝はバイオガス発電、微生物燃料電池、地下水バイオレメディエーション等の様々な環境バイオテクノロジーを生み出しています。
社会の持続可能性強化に貢献
現在、私たちの研究室では、自ら分離した微生物を培養して汚染地下水に補填して浄化を促す研究、下水やパーム搾油廃水からバイオガス・電流・栄養塩・再生水を回収する研究に取り組み、社会の静脈を強化することで循環経済を確立し社会の持続可能性強化に貢献することを目指しています。
研究室では、特定の汚染物質を分解する等の機能微生物を分離する、細胞内の代謝機構をゲノムやタンパク質の挙動から突き詰める、浄化に必要な触媒の調製や解析といったことを行いますが、実際に現場で機能を果たすか応用評価を並行して行うことを大切にしています。そのため、他大学の異なる分野の研究者、民間企業、行政との共同研究や、特に国際共同研究として取り組む中で、多様な視点の意見を取り入れて研究を進めるよう努めています。
高校を卒業したら働こうと思っていましたが、研究室で顕微鏡をのぞいてから研究にはまり、将来の就職等のことはあまり考えずに、ただ研究を続けたくて、修士、博士へと進学しました。
「微生物燃料電池型水処理の理想設計と限界性能をモデル計算と細胞内機構から解き明かす」

