高精度に傷を検出できる新しい超音波非破壊検査
老朽化が進み、非破壊検査に注目
近年、高度経済成長期に建設された土木構造物の老朽化が進んでいます。一口に土木構造物と言っても、橋、道路、ダム等多岐に渡ります。そのような土木構造物は、壊れると大きな被害をもたらします。仮に壊れたとしても、新しく作り直すことは大変です。そのため、土木構造物を壊すことなく検査する非破壊検査が注目を集めています。
我々人間は、病院でお医者さんに検査してもらい、診断結果から、適切な治療を受けていきますが、非破壊検査はまさにそれと同じ概念です。病院でも超音波を使ったり、放射線を使ったりと様々な検査方法がありますが、私は超音波を使った超音波非破壊検査を研究対象としています。
構造物や材料の複雑化で、難しくなる検査
超音波非破壊検査に関する研究は、古くから世界中で行われてきました。超音波非破壊検査の最終目的は、構造物のどこに、どのような大きさ、形状の傷があるかを知ることです。通常、超音波は傷にあたると散乱されますが、この散乱超音波の波形から傷の位置等を推定することになります。
ところが、近年、検査対象となる構造物・材料が複雑になり、従来の方法では、精度良く傷の位置や大きさ等を推定することが難しくなってきました。
そこで、私は非局所理論と呼ばれる新しい理論を、この超音波非破壊検査に展開し、傷を精度良く検出し、画像化する方法の研究を行っています。この方法が実現すれば、飛躍的に高精度に傷を検出できるかもしれません。構造物にとって頼りになるお医者さんを目指して、日夜、この研究に取組んでいます。
私は、高校時代は野球少年で、あまりきちんと勉強をしていませんでした。ただ、小さい頃から算数や数学だけは得意でした。あまり何も考えず、大学も土木系の学科を選択しました。
漠然と勉強していた大学生活でしたが、研究室配属で、数学を駆使した弾性波動論の研究を実施できる研究室があり、「土木系でもこんなに数学を使った研究ができるんだ」ということを知り、その研究室に入りました。土木という分野は、大変に広い学問分野です。きっと皆さんの好きな研究が土木分野にはあると思います。
「非局所理論の非破壊評価への展開」
◆ 斎藤研究室HP
◆主な業種
(1) 建設全般(土木・建築・都市)
(2) 交通・運輸・輸送
(3) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 生産管理・施工管理
(3) 品質管理・評価
◆学んだことはどう生きる?
大手ゼネコンや、道路・鉄道系の会社、公務員になる学生が多いです。私としては、研究室での研究を企業で続けるというよりは、研究室の活動を通して学んだ、プレゼンテーションの仕方、発表資料の作成の方法、未知の課題に対する取り組み方といった、理工系として必要な素養を研究室で身に付けて、将来、企業等で活かしてくれると嬉しいなと思っています。学生時代に、そのような素養を身に付けておくことは、良い技術者、研究者になるために必須かと思います。
構造物内部の傷の位置の推定について
高校物理では、波動を習います。超音波非破壊検査では、波動の知識は必須です。例えば、超音波非破壊検査で得られる超音波の波形は横軸を時間、縦軸を振幅としたものです。
さて、超音波の送信と受信を、同一の機器で行い、ある波形を得られたとします。この波形から傷の位置を推定するためには、どうしたらいいでしょうか。構造物を伝わる超音波速度が一定だとすると、傷の位置をどのように求めたらよいか、考えてみましょう。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? もう一度、今の自分と同じ学問を勉強したいですが、スポーツ医学も勉強してみたいと思います。 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? スイスです。沢山の有名な山があります。自然に囲まれた環境で、研究をしてみたいですね。 |
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| Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 子育てです。 |
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| Q4.好きな言葉は? 失敗の根拠さえ、はっきりしていればいい。それは次につながるから。 |

