環境モデリング・保全修復技術

バイオマス材料を使った環境にやさしい重金属吸着剤の開発


狩野直樹 先生

新潟大学 工学部 工学科 化学システム工学プログラム/自然科学研究科 材料生産システム専攻

どんなことを研究していますか?

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私は、天然材料による重金属吸着に関する研究を行っています。新潟産の雪椿の木炭、カニやエビの外骨から得られるキトサンなどのバイオマスをベースにした天然材料や粘土鉱物を用い、ハイブリッド材料など環境にやさしい効率的な金属吸着剤の開発に取り組んでいます。重金属の吸着の最適条件をモデル化、吸着メカニズムなどの理論的考察を行うとともに、実験を繰り返し、新規の重金属回収剤の開発を行っています。現在は実用化に向けて、さらに検証中です。

希少金属の資源回収も可能にする

地球規模で資源エネルギーの大量消費に伴う環境問題は深刻化しています。私の研究でめざす環境負荷の小さい新規の重金属回収法の開発は、有害物質除去に加え、希少金属の資源回収が可能となります。それは資源の安定供給につながりますので、実用化に伴い、資源の乏しい日本の産業界に対する寄与も大きいと期待されます。さらに研究成果をプラントや処理装置に展開できる可能性も考えられます。

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研究室で実験をする学生たち

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→化学・環境関連

興味がわいたら~先生おすすめ本

世界がもし100人の村だったら

池田香代子:再話

世界に存在する貧困や格差を小規模なモデルに置き換えてわかりやすく紹介した本。アメリカの中学校教師が送ったメールをもとにした本。英語の対訳、イラストつき。 (C.ダグラス・ラミス:対訳/マガジンハウス)


地球がもし100cmの球だったら

永井智哉

地球を1000万分の1で捉え、地球上の様々なことや、宇宙規模で見た時に見えてくる地球の存在を解説する。大人にも子どもにも読みやすい。 (世界文化社)


基礎からわかる水処理技術

タクマ環境技術研究会:編

水環境保全技術は、環境負荷の低減に役立つと同時に、物質やエネルギーの回収にも貢献している。本書は、水処理に関する技術・設備・法律等が、現場の実情に基づいて書かれている入門テキスト。 (オーム社)


地球にやさしい化学

寺田弘、高石喜久、筏英之

化学の立場からエコロジーを見つめ、これからの化学のあり方、エコロジーを学ぶ際に必要な生物の生産活動のあり方などを、やさしく解説している。環境関連の講義でも、テキストや副読本として使用されている。 (化学同人)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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