貧困の倫理学

馬渕浩二

人は、苦しむ人を見殺しにできるのか。なぜ苦しむ人を救わなければならないのか。これらを、世界に広がる「貧困」問題から考えようとする一冊です。本では、7人の学者が7通りの視点から、答えを出します。ここに並ぶ7通りの考えは、少し古くなりつつありますが、なおも世界基準として通用可能なものばかりです。

特に皆さんに読んでもらいたいのは7章です。「倫理は本当に倫理的なのか」、倫理の倫理性を問おうとしているからです。仮に、「正しさ」の奥底に正しくない動機が潜んでいたとき、それは本当に「正しい」ものなのか、倫理と呼んでよいのか。この7章でジェニー・エドキンスは「援助は権力だ」と言っています。「倫理をあきらめないけれども、倫理を過信しない」と考えさせられます。 (平凡社新書)

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