若き数学者のアメリカ
藤原正彦
『国家の品格』で一世を風靡した数学者・藤原正彦の、若き研究者としての青臭い自意識や葛藤に満ちた、アメリカ滞在記。1970年代のアメリカだ。ミシガン大学に研究員として招かれ、学問的には成功するも精神的には挫折にさいなまれ、終始「自分が日本人であり、この場で異国人であること」と向き合い続け、時間をかけてそれを乗り越えていく心情描写には、海外滞在経験者でなくとも心打たれる。留学や海外での就職を考えている人は手に取ってみよう。
(新潮文庫)