李鴻章 東アジアの近代

岡本隆司

李鴻章は、東アジア近代史の転換点となった日清戦争の清朝側の最高指導者。彼は、官僚として出世街道を歩み始めてまもなく、太平天国や第二次アヘン戦争に直面し、近代兵器を手始めにヨーロッパ近代の科学や技術を取り入れる。この「洋務運動」と呼ばれる近代化政策の中で、次の時代を担う新しい人材が育っていく。大まかにいえば、日本の幕末・明治維新と似ているが、社会や政治のあり方が日本と違うため、その展開も異なり、日清戦争の勝敗を分ける。本書は、李鴻章を通じて、日清戦争前後の清朝を描く。日本と中国の近代化を単なる成功例・失敗例ととらえるのではなく、そこから現代にも通じる中国の特徴を捉えようとする点で、本書はアジア史研究の最近のトレンドを代表しているといえる。 (岩波新書)

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