現代社会って、経済って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

哲学・思想

改訂 マリー・キュリーの挑戦 科学・ジェンダー・戦争

川島慶子

史上最も初期の「リケジョ」であるマリー・キュリー。科学と戦争、科学と国籍、科学と女性であることなどの時代の制約に翻弄されながら生きた彼女の半生を描いている。子どもの伝記で有名な彼女の、全く異なる一面を垣間見ることができるだろう。 (トランスビュー)



経済学

ファスト&スロー

ダニエル・カーネマン

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者が、行動経済学をもとに身近な例を数多く提示しながら解説する。行動科学の原理を理解することは、自らをよくコントロールすることにつながる。直感(ファスト)と熟慮(スロー)のそれぞれについて考えるきっかけとなるだろう。 (村井章子:訳/早川書房)



地域再生プロデュース 参画型デザイニングの実践と効果

蓮見孝

日産自動車のデザイン関連部門を経て、筑波大学芸術学群時代には、茨城県の地域産業のブランディングなどにも携わってきた蓮見先生が、地域再生について語る。住民の意識改革や明るさの取り戻しなどが、行政主導のどんな施策よりも大切であると感じさせる。 (文眞堂)



社会学

断片的なものの社会学

岸政彦

社会学者の「まなざし」を知るために、オススメの本。路上のギター弾き、夜の仕事、元反社会的組織、在日コリアンなど、様々な人々へのインタビューとエッセイから構成されている。「何事もない、普通の」物語から語り手の人生を感得させるような本。安易に対象を解釈しようとするのではなく、抽象化し分析してしまうと解釈からすり抜けていってしまうような、平凡で普通の、何かを通じて「理解できない」対象に近づいていく。インタビューを含む社会調査は、社会学という学問の最大の学問的特徴の一つだが、必ずしも「事実」を外部から客観的に観察するためではない。社会学が重視するのは、人々によって認識されている「意味」だ。この本からは、語りの「意味」に寄り添おうとする社会学者の態度を知ることができるだろう。 (朝日出版社)



急に売れ始めるにはワケがある

マルコム・グラッドウェル

「感染理論」を使って、集団の行動や社会現象のからくりを解き明かす。凶悪犯罪の激減、ヒット商品、感染症など、多くの身近な事例はどのようにして起こるのかが紹介されている。「背景の力」や「弱い紐帯」といった社会学で用いられる概念も解説されており、社会学的思考も養えられる。 (高橋啓:訳/SBクリエイティブ)



問題解決に効く「行為のデザイン」思考法

村田智明

著者の村田智明氏は、著名なデザイナーだ。これまでに数々のデザインを行ってきた経験に基づき、デザインの領域を上手に説明し、デザインによってできること、デザインがカバーする領域の広さ、デザイナーがすべき思考について、わかりやすく解説している。デザインを造形表現のことだと思っている人や、デザインに興味があり、初めて勉強したいと思っている人に、ぜひ最初に手に取ってほしい書籍だ。 (CCCメディアハウス)



経済学

データはウソをつく 科学的な社会調査の方法

谷岡一郎

数値や統計データは大きな説得力を持つがゆえに、扱い方を間違えると事実と全く異なる危険性がある。社会科学における「事実」とは何か、マスコミによる世論の誘導、健康に関するデータなどのテーマで、統計データを扱う際の落とし穴について、丁寧に仮説がなされている。 (ちくまプリマ―新書)



ロビンソン・クルーソー

ダニエル・デフォー

イギリス18世紀、絶海の孤島に漂着したロビンソンが、自力で生活を切り開いていくさまを描いた小説。子ども向けのサバイバル冒険小説と思いきや、大人になって読むと実に意味の深い小説だ。経済とは何かが原理的なところでわかるだろう。 (平井正穂:訳/岩波文庫)



社会学

ハマータウンの野郎ども

ポール・ウィリス

いわゆるイギリス版「不良少年」の研究本だが、一方で学校文化とは何かという点について、真面目に論じている。日本の学校文化を知る比較対象にもなるだろう。 (熊沢誠、山田潤:訳/ちくま学芸文庫)



歴史・地理

砂糖の世界史

川北稔

かつて貴重品であった砂糖を求め、イギリス人はカリブ海の島々を植民地とし、砂糖プランテーションを建設する。それが、アフリカからの奴隷貿易につながる。イギリスでは、砂糖を入れた飲料を販売するコーヒーハウスが人々が集まり討論する場となり、政党や学術団体の設立につながる。砂糖は、世界を大きく変えた。砂糖以外にも、綿花、コーヒー、茶、小麦、あるいは現代なら原油のように世界中に需要がある商品がある。こうしたモノに着目し、それを求める商人や企業の活動、人々の消費動向の変化を分析することは経済史研究の中心的な課題の一つである。本書は、経済史によって何が明らかにできるかを、経済だけではなく、社会や政治、文化とも絡めて示している。『茶の世界史』『チョコレートの世界史』などの書籍も経済史の入門書として読むことができる。 (岩波ジュニア新書)



社会学

990円のジーンズがつくられるのはなぜ?

長田華子

世界の縫製工場といわれるバングラディッシュ。世界中のアパレルからの大量の発注に応える、その縫製工場の現実を教える本。先進国の豊かな暮らしは途上国の人々の過酷な労働の上に成り立っていることに、少しでも思いをはせることができるようになる。 (合同出版)



社会学

科学は誰のものか 社会の側から問い直す

平川秀幸

遺伝子組み換え作物から再生医療まで、私たちは暮らしに関わる科学技術の問題にどう向き合っていけばいいのだろうか。科学の営みと市民社会との関わりについて、文系のアプローチを通じて考えることを促す入門書。 (生活人新書)



空洞化のウソ 日本企業の「現地化」戦略

松島大輔

経産省の現役官僚が執筆した本。ここ30年来言われてきた、産業の「空洞化」について、様々な事例の検証を含め再検討を行っている。本書で著者が示した解で国内問題が本当に改善するのかの根拠はやや不足している感はあるものの、地方の中小企業において海外展開が進んでいることや、それが将来日本にもたらす影響を考察した点は、今後の国内地域経済を考える上で重要な視点を与えてくれる。本書は、産業政策・中小企業政策・産業集積政策に特化した内容となっているが、これらの政策を地理学的視点から読んでいくと、立地地域の状況を把握することなく、こうした政策を語ることはできないことが理解できる。 (講談社現代新書)



日本経済新聞

日々のニュースだけではなく、経済学者の最新の研究がシリーズで紹介されていたり、専門家の見方が掲載されていたりする。また、わかりやすい特集が多く、読み物としても楽しめる。最初は、関心のあるところのみを読めばよい。 (日本経済新聞社)



統計学が最強の学問である データ社会を生き抜くための武器と教養

西内啓

あらゆる学問、ビジネスに大きな影響力を持つ統計学の可能性と有用性について説いた本。経済データに限らず、データを適切に扱い分析することにより、どのようなことが可能になるのかを知ってもらいたい。 (ダイヤモンド社)



経済学

アリとキリギリスの日本経済入門

土居丈朗

舞台は「昆虫村」。会社でコツコツと働くアリ、土地に手を出して失敗するキリギリス等が登場し、バブルの形成と崩壊、ムダな公共投資や財政危機などをわかりやすく描いた良書。 (ちくま文庫)



経済学

超ヤバい経済学

スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー

全世界発行部数400万部のベストセラー『ヤバい経済学』の続編。「酔っ払って歩くのと酔っ払い運転、どっちが危険?」「テロリストを捕まえるには?」といった“ヤバい”話題を扱い、経済学の知識がなくても読める。人々は自分が幸福になるよう、つまり、自分にとって得になるよう行動している。しかし、その行動基準は正義や善意だけでは説明できず、また正義や善意の観念が誰しも同じとは限らないこと、一般に信じられていることでも、数字を分析すると真実でない時があることが書かれている。だから、人々が何を得と考えるかを明確にしないと、良い政策や法律は作れないということがよく理解できる本。その意味で理論経済学の意図がわかる。 (望月衛:訳/東洋経済新報社)



カムイ伝全集 カムイ外伝

白土三平

日本社会と技術の歴史についての理解を深め、科学技術の「階級性」や、技術と差別という、根源的な問題系に触れられる漫画。同じく、同著者による『カムイ伝講義』も合わせて読んでほしい。より理解が深まるだろう。 (ビッグコミックス)



社会学

男性の非暴力宣言  ホワイトリボン・キャンペーン

多賀太、伊藤公雄

ジェンダー論は女性だけの問題ではない。暴力と結びつけられがちな男性性からの脱却は、女性に対する暴力、いじめなど問題の解決には不可欠だ。私たちの社会で男性が背負う、男性のありかたを見直すことは、男性自身の解放につながるだろう。 (岩波ブックレット)



経済学

20歳からの社会科

明治大学世代間政策研究所:編

若い世代に大きく関わる政策課題である、財政・社会保障、外交、教育、環境問題について、経済学・政治学などの知見に基づいてどのように考えればよいのか導いてくれる一冊。例えば、日本の財政にとって、医療・社会保障は喫緊の政策課題だ。中でも国民年金については、少子・高齢化社会ではこの仕組みがうまくいかないと、多くの財政学・公共経済学の研究者により指摘されている。なぜ国民年金の改革が必要か、なぜ改革が「先送り」されるか。これはまさに財政・公共経済の分析対象だ。本書では、こうした問題やその解決策についても紹介されている。「20歳からの」と銘打っているものの、財政や社会保障、若者の政治参加などに関心のある高校生にお勧めしたい。 (日本経済新聞出版社)


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