社会学

社会学の対象

学年、学歴…―ふだん何気なく使っていることばの背景に眼を向ける


鈴木洋仁先生

神戸学院大学 現代社会学部 現代社会学科

出会いの一冊

社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

佐藤俊樹(岩波新書)

大学で社会学を学ぶなら、ぜひこの1冊を携えていただきたいです。いまの社会学がわかるだけではありません。社会学の歴史全体とのつながり、さらには、いまの社会(ビジネス)とのつながりもふくめて、あらゆる要素がつまっています。
 
あなたのいるクラスや部活、あるいは家族も「組織」です。その「組織」とは何か。なぜ続いてきたのでしょうか。そんなところから、きわめて高度な理論まで、読みやすすぎるほどに練られた文章で、あっという間に連れていってくれます。
 
社会学が何を考えてきて、何を考えているのかがわかりますし、何度でも読み返し、その度に発見がある、現代の古典です。

こんな研究で世界を変えよう!

学年、学歴…―ふだん何気なく使っていることばの背景に眼を向ける

「世代」「時間」へも興味を広げる

あなたにとって「学年」は大きな目印ではないでしょうか?1歳違うだけなのに、「先輩」と「後輩」として、敬語を使わなければならない、かもしれません。

あるいは、あなたにとって「学歴」とは何でしょうか?このサイトをご覧になったのは、大学に進むのが前提でしょうし、その上でも、さらに、あなたにとってより良い「学歴」を得るため、かもしれません。

私もまた、日々、「学年」や「学歴」を意識して暮らしています。研究者としては「令和」や「平成」といった「元号」に関心を持ってきました。その途中で、「世代」とか「時間」など、私たちが社会で生きる上での「ものさし」や「目印」にも興味を広げました。

研究者自身も意識しなかったところに社会学の始まり

あなたがもし「Z世代」と言われたら、どう思いますか?もっと「先輩」の話だと思いますか?それとも、じぶんの話だととらえるでしょうか?

あるいは、この文章を書いている私の所属している大学について、「学歴」という点で、どう思いますか?

強く意識していたわけではないのですが、私の最近の研究は、こうした点について、いろいろな角度から解き明かそうとしているようです。「ようです」と、まるで他人事のような表現を使ったのは、社会学とは、まさに、こうした研究者自身も意識しなかったところに、眼を向ける学問だからです。

あなたがふだん当たり前だとして何気なく使っていることばの背景に、何があるのか。そんなところから、社会学が始まります。

テーマや研究分野に出会ったきっかけ

社会学を学ぼう!と思ったことは、いままでに一度もありません。それよりも、私の関心にフィットするのが、たまたま社会学だったといいますか、社会学しか答えてくれなかった、というほうが正確だと思います。

高校までは、父親から医者になるように言われてきましたので、逃げるように総合人間学部に進み、さらに逃げるように比較文学を学び、テレビ局に就職しました。その後、働いているなかで浮かんだ疑問を解き明かそうと、大学院に進む際に、社会学しかなかった、というのが、正直なところです。

先生の研究報告(論文など)を見てみよう
先生の分野を学ぶには
もっと先生の研究・研究室を見てみよう
学生たちはどんなところに就職?

◆主な業種

(1) ソフトウエア、情報システム開発

(2) ネットサービス/アプリ・コンテンツ

(3) 金融・保険・証券・ファイナンシャル

◆主な職種

(1) 商品企画、マーケティング(調査)

(2) 営業、営業企画、事業統括

(3) 宣伝、広報、IR

◆学んだことはどう生きる?

IT業界で、データ分析をしている方がいらっしゃいます。

その方は、卒業論文で、ご自身の興味にもとづいて、およそ1年間をかけ、入念なリサーチに基づく、重厚な論文を書き上げました。いわゆる社会学の枠内には収まりきらないテーマでしたが、それだけに、その人自身の関心を存分に掘り下げたところが、どんな分析であっても立ち向かえるという自信につながったのでは、と指導教員としては見ています。

先生の学部・学科は?

1年生から4年生までずっと少人数教育という点です。私がテーマとしている社会学やメディア論については、最前線で活躍するゲストに多く来ていただいて、近い距離でディスカッションができたり、いま注目されている話題についての最新情報をもとにした議論ができるところに強みがあります。

いま、あなたが関心を持っているテーマについて、最も新しい視点で研究できるだけではなく、そのために、これまでの研究成果をお伝えできる、そんな新しさと古さを融合した研究ができます。

2年生対象の「ゼミナールⅡ」の様子。いろんなゲストに来ていただいて、学生と直接お話ししていただきながら、社会学やメディアについて学ぶ機会をたくさん作っています。
2年生対象の「ゼミナールⅡ」の様子。いろんなゲストに来ていただいて、学生と直接お話ししていただきながら、社会学やメディアについて学ぶ機会をたくさん作っています。
先生の研究に挑戦しよう!

・メディアのなかの「昭和」について
 
「あの人は『昭和』だから」とか「昭和くさい」、「昭和じゃないんだから」など、「昭和」=古さをあらわすことばとして定着したように見えます。

あなたは、「昭和」という表現を知っているでしょう。その使われ方について、ネット上、新聞、テレビなどで、どんな違いがあるのかを調べてみましょう。そこから、メディアの違い、そして、「昭和」をめぐる「世代」の違いが見えてくるかもしれません。

中高生におすすめ

君は君の人生の主役になれ

鳥羽和久(ちくまプリマー新書)

タイトルそのままです。進路を決めかねている人、決めた人、どんな人でも、この本からたくさんの勇気をもらえます。私の高校時代に、この本があって欲しかったです。


さよならミニスカート

牧野あおい(りぼんマスコットコミックス)

少女漫画雑誌『りぼん』に連載中ですが、性別を問わず、いや、性別そのものを問う内容ですので、ぜひ、すべての10代の人に読んでもらいたいです。


5分後に、虚しい人生。本当に欲しかったものは、もう

麻布競馬場、霞が関バイオレット、かとうゆうか、木爾チレン、新庄耕、外山薫、豊洲銀行網走支店、pho、窓際三等兵、山下素童(集英社文庫)

「学歴」「収入」「恋人」「名誉」など、あなたが欲しいものは、なんですか?それを手に入れたとしたら、どう思うでしょうか?

そんな未来を予測するために役立つ、だけではなく、どの短編も5分で読めるくらいで、どこからでも気楽に読めるのでお薦めします。

一問一答
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は?

言語学、というよりも、ラテン語とギリシャ語を勉強して、古典を原文で読みたいです。

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?

ロシアです。四半世紀前、大学生のときにひとり旅で行ったきりなので、いまのロシアを体験したいです。

Q3.感動した/印象に残っている映画は?

ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』

Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?

小学生の水泳指導

Q5.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは?

おせち料理づくり