統計科学

自然災害データから被害予測をシミュレーション~統計学はますます重要に!


鎌倉稔成 先生

中央大学 理工学部 ビジネスデータサイエンス学科/理工学研究科 ビジネスデータサイエンス専攻

どんなことを研究していますか?

統計学は膨大なデータを分析し、統計モデルや理論を研究するための学問です。データから効率よく情報を抽出し、ビジネス分野に役立てたり、リスク評価に活用したりするために重要な分野です。日本の統計学は、公官庁統計や経済統計に統計数学が結びつき発展してきましたが、IoT、インターネット通じたビッグデータの集積が可能になり、これを解析することにより統計学が果たす役割は、より大きなものになってきています。

様々な統計をリスク評価に活用

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私は統計学を専門にし、製品の品質や信頼性に関するデータや、スポーツ解析に役立つデータなど、様々なデータを扱っています。大きな柱の1つが、自然災害に関するデータです。過去の地震や津波・土砂崩れなどといった自然災害のデータや、地殻変動、活断層、標高といった地理的なデータを利用して、統計学的な目線から、被害予測のシミュレーションなどを行っています。様々なデータを空間的、時間的に分析することにより、リスク評価を行い、安全性に対する指標作りができると考えています。

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学会での研究発表にて

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→製造業、金融業、製薬業、学校
  • ●主な職種は→IT技術者、統計分析家、教員
  • ●業務の特徴は→統計的データ分析
分野はどう活かされる?

製造業であれば、品質管理、信頼性技術者、マーケティングにおける需要の予測。製薬メーカーであれば臨床試験データ分析。

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研究室にて

先生の研究に挑戦しよう

スポーツ解析をしてみましょう。例えば、野球の試合データから、勝利に影響を与えた安打分析など強さの秘密を探ってみましょう。

興味がわいたら~先生おすすめ本

統計学が最強の学問である データ社会を生き抜くための武器と教養

西内啓

ランダムとは何なのか。統計学では、データがランダムに変動するという概念が重要であるが、実験を行う際のランダムさの重要性が詳しく、わかりやすく解説されている。一例として、統計学者・フィッシャーの「ミルクティーにおけるミルクが先か紅茶が先か」問題を紹介。ランダム化による実験が必要としている。詳しくは本書で。 (ダイヤモンド社)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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