建物でも、特に鉄骨造建物の耐震設計が、主な研究テーマになります。そのために、鉄骨骨組の性能をより正確に評価することが重要だと考え研究を進めています。
現在、建物や土木構造物は、短いサイクルでスクラップ・アンド・ビルドされ、資源浪費を生んでいますが、実は、大きな耐力と粘り強さを有する鋼(鉄)という、鉄骨作り建物の骨組となる構造材料の優れた性能が、まだ十分に生かされているとは言えないことも大きな要因です。したがって、鋼(鉄)材の構造性能の正確な評価は、構造物の長寿命化、ひいては地球全体の環境負荷低減にもなり、産業の構造変革をもたらすものとも考えています。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→建設業、製造業
- ●主な職種は→構造設計、技術開発、製造
分野はどう活かされる?
建物の構造設計やそれに関連する研究・技術開発、建物の鉄骨の製作、鋼材を使った建築構造部材の開発などがあります。いずれも建物の骨組の安全性に関わる業務が中心になります。
興味がわいたら~先生おすすめ本
地震と建築
大崎順彦
地震を受けると建物の骨組がどうなるのか、地震のメカニズムとその性質から説き明かし、地盤によってその被害がどう変わるのかを具体的に説明。建物の耐震安全性を論ずる上で必要な基礎知識が、非常にコンパクトにわかりやすく解説されている。建築構造の一般向けの書籍として有名だが、この分野の学部生・大学院生へも薦められる。研究者にとっても折に触れて手にする度に新たな発見がある。 (岩波新書)