建築・住宅系の本

地震と建築

大崎順彦

地震を受けると建物の骨組がどうなるのか、地震のメカニズムとその性質から説き明かし、地盤によってその被害がどう変わるのかを具体的に説明。建物の耐震安全性を論ずる上で必要な基礎知識が、非常にコンパクトにわかりやすく解説されている。建築構造の一般向けの書籍として有名だが、この分野の学部生・大学院生へも薦められる。研究者にとっても折に触れて手にする度に新たな発見がある。 (岩波新書)



初学者のための新・建築構造入門

西谷章

これから建築を学ぼうとする人向けに、建築構造の仕組みや考え方を、数式をほとんど使わずに平易に解説。建築構造の全体像を大掴みに学ぶ本として適している。読者から好評で、改訂前の前著『初学者のための建築構造入門』と合わせて1万部出版されている。建築構造研究にはどんな研究があるか、どんな新しい構造があるかなどもわかる。 (鹿島出版会)



小布施 まちづくりの奇跡

川向正人

長野県小布施町。伝統的な町並みを、「伝統」だけに固執せず、活かしながら現代に寄り添わせる「修景」の手法によって整備した、その取り組みをまとめたもの。建築史をどのように現代の町づくりに活かすのか、その成果がわかる。 (新潮新書)



図解・超高層ビルのしくみ 建設から解体までの全技術

鹿島:編

地震と台風の国、日本の最新の建設技術がコンパクトに、わかりやすく説明されている。地震動や台風の暴風雨に備える耐震技術、大工事を滞りなく行うノウハウ、1万人が安全・快適に過ごすためのエレベーターや空調、防災設備などを、多くの超高層ビルを手掛けてきた建設会社ならではの視点で解説する。 (ブルーバックス)



陰影礼賛

谷崎潤一郎

『春琴抄』『細雪』などで知られる明治から昭和まで生きた大文豪、谷崎潤一郎の著名な随筆。まだ電灯がなかった時代、今日とは異なる日本の美の感覚や、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性について論じている。西洋の、室内の隅々まで明るくして陰翳を消す文化と、日本の陰影を活かす文化を比較。日本の伝統的な灯り文化が理解できる。本書のような随筆からも、上質な照明とはどういうものかを理解すれば、将来、適切な照明器具や光源を選定できるようになるだろう。 (中公文庫)



地球とつながる暮らしのデザイン

小林光、豊貞佳奈子

学界・企業の専門家50名によるエコライフ論。暮らしやすい環境や衣食住、エネルギー、ゴミ問題などに関して、企業や制度はどのような取り組みを行っているのか見極める力を、生活者が主体となってつけていくためのヒントがある。建築環境・設備分野については、第2章「よい光環境はエコロジカル」で述べられている。 (木楽舎)



驚嘆!セルフビルド建築 沢田マンションの冒険 

加賀谷哲朗

建築家である著者が、大学院の建築計画研究室に所属していた当時に執筆した修士論文がベース。研究対象の沢田マンションは、家主の沢田夫妻の住まい観・技術観に基づいてセルフビルドで建設された6階建ての賃貸マンションで、日本版サグラダファミリアとも称される。しかし、実はキワノモではなく先進・先鋭的なマンションであることを、学生の新鮮かつ知的好奇心に満ちた視点でアプローチし、丹念な調査と分析により明らかにしている。常識と思われている北側廊下・南側リビングでプライバシー重視の3LDKマンションのプランニングへの疑問も浮かぶ。著者の指導教授であった初見学先生の愛のある解説も見もの。 (ちくま文庫)



図説 北欧の建築遺産 都市と自然に育まれた文化

伊藤大介

ストックホルム・コペンハーゲン・ヘルシンキなど北欧各国の歴史的な教会、19世紀~20世紀のナショナル・ロマンティシズム建築やモダニズム建築など歴史的な建築遺産を中心に、多くの写真も使い解説。着目すべき点は、北欧の場合、建築物が歴史的なものであれ近代のものであれ、自然風土と一体となっている点。それはそのまま北欧の人間や社会のあり方を反映しており、今後の世界の進む方向性についての提案にもなっている。 (河出書房新社)



新版 建築学がわかる。

アエラ編集部:編

建築学の全貌を広く学ぶことのできる一冊。古い建築物に新たな生命を吹き込むリノベーション、公共建築がつくられるプロセスに迫る「プロジェクトの現場」といった話題もある。建築構造に関しては、「耐震から制震へ」というページで、構造制御がどんな理念で、どのように建物に応用されているかを平易に述べられており、「構造制御」について「早わかり」的な内容。 (AERA Mook)



「間取り」で楽しむ住宅読本

内田青蔵

明治・大正・昭和の住まいの変化を辿る。居間や玄関、台所など部屋ごとに分けて見た点が特徴で、各時代の住宅に求める機能や条件の違いが明らかになり、住宅史の醍醐味が味わえる。建築の調査、新聞や雑誌などの文献、かつての生活を描いた絵画など、研究を進める上での方法論はほぼ網羅されており、「建築史」の研究姿勢も理解できる。「過去」を知ることで「現代」を見直すといった建築史学の視点がよく伝わる好著である。 (光文社新書)


関連する学問

5.建築・住居の学問をみてみよう
みらいぶっくへ ようこそ ふとした本との出会いやあなたの関心から学問・大学をみつけるサイトです。
TOPページへ