ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディみかこ
日本と英国は同じ島国ですが、ほぼ日本人しかいない日本に対して、英国は非常に多くの移民からなる多民族国家です。LGBTQなどの理解も非常に進んでいます。多様性は新しいものを産み出すのに非常に重要です。しかし、もともとその土地に住んでいた英国人はその現状をどのように思っているでしょうか?また移民が全員、豊かな生活を英国で送れているのでしょうか?
多様性は新しいものだけでなく差別や偏見も産み出します。一方で、その多様性をもたらした移民がいなければ英国経済が成り立っていないかもしれません。そして、もしかしたら日本もそう遠くない未来に、今の英国と同様のことが起こる可能性が十分にあります。
高校生の皆さんが英国の事例を通して日本以外のことを考えることで、自分が日本人であるというアイデンティティ、そして日本に住んでいるという当たり前の事実を考えさせてくれる良い一冊だと思います。皆さんが大学を卒業されるころには「日本に住むのが当たり前」ではなく「日本を出るのが当たり前」になっているかもしれませんね。
(新潮文庫)
みらいぶっくへ ようこそ ふとした本との出会いやあなたの関心から学問・大学をみつけるサイトです。
TOPページへ
TOPページへ