ガン回廊の朝

柳田邦男

国立がんセンター(現・国立がん研究センター)は、がんによる死亡率が戦後急上昇したのを受け、1962年に設立された。がんの制圧がまだ難しかった当時、汗を垂らして病変組織の切片を作ったり、血液の成分を整えるだけで患者の容体が劇的に良くなることを発見するなど、がん研設立当時の研究者の苦闘を記したノンフィクションが本書だ。本書の医療人の姿勢からは、徹底した観察と、それに基づいた問題克服への取り組みこそが優れた成果を生み出すのだと気づかされる。医療系を志望する人でなくても、自然科学に興味があればのめりこんでしまう。続編『ガン回廊の炎』では、1989年頃までの最新のがん治療がレポートされている。 (講談社文庫)

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