私の脳科学講義

利根川進

ノーベル生理学医学賞受賞者の利根川進博士が自らの歩んだ道や、脳科学についての講義や対談をまとめた本。先生は免疫学を専門にしてノーベル賞を受賞し、その後、脳科学の分野に参入、現在も世界の脳科学研究をリードしている。興味深いことに、「この研究は面白い」「面白くない」という価値観が、彼の尊敬する科学者たちの間では一致しており、そのような価値観は、創造性の高い研究を成し遂げた研究者の傍らにいて、かつ、本人にしかるべきアンテナが備わっていて醸成されると述べている。また、「脳科学は心の働きを解明する学問なので、いずれ哲学・宗教・心理学などすべての学問が脳科学に吸収されるだろう」とも語る。柔軟な脳を持った高校生ならば、研究者としての大切な「価値観」を、本書から少しでもキャッチしてほしい。 (岩波新書)

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