中国の書物と印刷
張紹勲
中国は、印刷文化の発祥の地だ。紀元前2世紀頃に紙の発明があり、8世紀には完成した木版印刷が行われていたことが知られている。本書は、木版印刷の成立までの歴史と、木版印刷が成立して以降、それがどのように発展、展開していったかを、簡潔に述べた著作だ。紙の製法や印刷技術は、中央アジアを経由して西アジア、ヨーロッパへと伝わり、15世紀にはヨーロッパで活版印刷が成立する。そして、活版印刷は宣教師の活動に伴い、16世紀に東アジアに伝わってくる。出版文化はグローバルな文化伝播の歴史なのだ。
(高津孝:訳/中国文化史ライブラリー)
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