現代社会って、経済って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

矢部宏治

現実社会への関心を持つことが、社会科学への入口だ。本書は、日本が抱える「基地」と「原発」の謎と原因究明に迫る。そしてそれを解くカギが「日本の敗戦後6年半の占領期」にあるとして解説する。 (集英社インターナショナル)



政治学・国際関係

一九八四年

ジョージ・オーウェル

イギリスの著者が1949年に約40年後の近未来社会を予測して書いたフィクション小説。政府による監視や、検閲、権威主義に凝り固まった社会を描く。言葉が破壊されていくとき、それは人間性も破壊し、暴力こそが自由だと考える人が生産されていく。今の日本の政治をじっくり考えるためにも手に取って欲しい。 (高橋和久:訳/早川書房)



いま生きる階級論

佐藤優

教育格差をはじめ、労働・商品・資本・国家・階級・格差などの概念をさまざまな文献を通じて読み解いて行く講義録。人生の指針となり得るヒントがちりばめられている。同じ著者による『いま生きる「資本論」』(新潮文庫)と併読するとよい。 (新潮社)



経済学

功利主義入門

児玉聡

現代経済学を作り上げた要素の1つに、“経済人”の行動原理であるベンサムの功利主義がある。その功利主義とは何か。「あいつは功利的だ」というのは日本語の会話ではマイナスのイメージがつきまとうが、例えば、脳死状態の人の生命維持装置を外すべきか否か、ガンの原因であるタバコをどの程度厳しく規制するかなど、現実の問題を解決する際に、功利主義は一つの有力な判断基準だ。功利主義を知る本。 (ちくま新書)



社会学

ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件

杉山春

いま、日本社会で子育てがどれほどの労力を、母親にかけているのか。そして、世間でスキャンダラスに報道される母親による「虐待」。これは実は、本人の問題というより、育児をする母親に対して日本社会が冷淡であること、無理解であること、母親の負担を共有しないという態度から生じていることがよく理解できる本だ。母親ひとりに責任を押し付ける社会が、いかに母親だけでなく、子どもにも悲劇をもたらすかも明らかにされている。 (ちくま新書)



歴史・地理

砂糖の世界史

川北稔

かつて貴重品であった砂糖を求め、イギリス人はカリブ海の島々を植民地とし、砂糖プランテーションを建設する。それが、アフリカからの奴隷貿易につながる。イギリスでは、砂糖を入れた飲料を販売するコーヒーハウスが人々が集まり討論する場となり、政党や学術団体の設立につながる。砂糖は、世界を大きく変えた。砂糖以外にも、綿花、コーヒー、茶、小麦、あるいは現代なら原油のように世界中に需要がある商品がある。こうしたモノに着目し、それを求める商人や企業の活動、人々の消費動向の変化を分析することは経済史研究の中心的な課題の一つである。本書は、経済史によって何が明らかにできるかを、経済だけではなく、社会や政治、文化とも絡めて示している。『茶の世界史』『チョコレートの世界史』などの書籍も経済史の入門書として読むことができる。 (岩波ジュニア新書)



社会学

女性を活用する国、しない国

竹信三恵子

世界の中でも女性の活用が進まない国、日本。その現状を諸外国と比較しながら解説し、将来の男女平等な社会のあり方を展望する。ブックレットらしく手軽に読める分量でありながらも、データをふんだんに使用しながら詳しく解説しており、充実した一冊だ。 (岩波ブックレット)



急に売れ始めるにはワケがある

マルコム・グラッドウェル

「感染理論」を使って、集団の行動や社会現象のからくりを解き明かす。凶悪犯罪の激減、ヒット商品、感染症など、多くの身近な事例はどのようにして起こるのかが紹介されている。「背景の力」や「弱い紐帯」といった社会学で用いられる概念も解説されており、社会学的思考も養えられる。 (高橋啓:訳/SBクリエイティブ)



社会学

反コミュニケーション

奥村隆

関西学院大学で社会学を教える奥村隆先生の本。社会学の主な理論を知ることができ、コミュニケーションとは何かについて考えることのできる好著。著者が社会学や思想学における歴史上の人物を架空上で訪ねて語り合うというエッセイ形式が楽しい。 (弘文堂)



社会学

しあわせに働ける社会へ

竹信三恵子

今日、私たちの社会で「働く」ことは、正社員としても非正社員としても相当に厳しい状況にあることを解説する。あわせて、それに対して具体的にどのような対応策があるのか、求めるべき社会の仕組みはどのようなものかを解説し、働くことによって幸せになれる社会を展望している。労働の困難の背景には、ジェンダーがあることも明快に指摘されている。労働者に何が保障されているのかという大切な知識も詰まっている。社会に出る前に是非読んでほしい一冊だ。 (岩波ジュニア新書)



経済学

インベスターZ

三田紀房

漫画でありながら、現実の経済を理解するうえで大変有益な本。特に、ビジネスの第一線で活躍されている実在の人物が本編や巻末の対談で登場し、自分の経験等を語っているため、高校生のみなさんにとっても役に立つことが多いだろう。経済に関心がある人もない人も、まず、この本を読んで進路について考えてみてほしい。 (講談社コミックス)



日本経済新聞

日々のニュースだけではなく、経済学者の最新の研究がシリーズで紹介されていたり、専門家の見方が掲載されていたりする。また、わかりやすい特集が多く、読み物としても楽しめる。最初は、関心のあるところのみを読めばよい。 (日本経済新聞社)



経済学

ファスト&スロー

ダニエル・カーネマン

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者が、行動経済学をもとに身近な例を数多く提示しながら解説する。行動科学の原理を理解することは、自らをよくコントロールすることにつながる。直感(ファスト)と熟慮(スロー)のそれぞれについて考えるきっかけとなるだろう。 (村井章子:訳/早川書房)



経済学

20歳からの社会科

明治大学世代間政策研究所:編

若い世代に大きく関わる政策課題である、財政・社会保障、外交、教育、環境問題について、経済学・政治学などの知見に基づいてどのように考えればよいのか導いてくれる一冊。例えば、日本の財政にとって、医療・社会保障は喫緊の政策課題だ。中でも国民年金については、少子・高齢化社会ではこの仕組みがうまくいかないと、多くの財政学・公共経済学の研究者により指摘されている。なぜ国民年金の改革が必要か、なぜ改革が「先送り」されるか。これはまさに財政・公共経済の分析対象だ。本書では、こうした問題やその解決策についても紹介されている。「20歳からの」と銘打っているものの、財政や社会保障、若者の政治参加などに関心のある高校生にお勧めしたい。 (日本経済新聞出版社)



空洞化のウソ 日本企業の「現地化」戦略

松島大輔

経産省の現役官僚が執筆した本。ここ30年来言われてきた、産業の「空洞化」について、様々な事例の検証を含め再検討を行っている。本書で著者が示した解で国内問題が本当に改善するのかの根拠はやや不足している感はあるものの、地方の中小企業において海外展開が進んでいることや、それが将来日本にもたらす影響を考察した点は、今後の国内地域経済を考える上で重要な視点を与えてくれる。本書は、産業政策・中小企業政策・産業集積政策に特化した内容となっているが、これらの政策を地理学的視点から読んでいくと、立地地域の状況を把握することなく、こうした政策を語ることはできないことが理解できる。 (講談社現代新書)



社会学

ハマータウンの野郎ども

ポール・ウィリス

いわゆるイギリス版「不良少年」の研究本だが、一方で学校文化とは何かという点について、真面目に論じている。日本の学校文化を知る比較対象にもなるだろう。 (熊沢誠、山田潤:訳/ちくま学芸文庫)



経済学

ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質

ナシーム・ニコラス・タレブ

ブラック・スワンとは、金融市場において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことをいう。それは認識論学者で元ヘッジファンド運用者としての経験を持つナシーム・ニコラス・タレブが、2006年に刊行したこの『ブラック・スワン』がもとになっている。この本はまた、2008年に起こった世界的金融危機のリーマンショックを予測していたと話題を呼んだ。「未来はある程度予測でき、リスクは避けられる」という認識を独特の語り口で崩してしまう。幅広い分野に登場する「時間変化する複雑なシステム」が共通に秘めるもろさに焦点を当てる本だ。上下巻出ている。 (望月衛:訳/ダイヤモンド社)



社会学

定常型社会 新しい「豊かさ」の構想

広井良典

著者の京都大学・広井良典先生が提唱する「定常型社会」とは、右肩上がりの成長、特に経済成長を絶対的な目標としなくとも十分な豊かさが実現されていく社会のこと。そうした経済成長至上主義ではない、定常化社会において、どのような社会保障が必要か、福祉のあり方について独創的に論じられている。 (岩波新書)



新版 原子力の社会史 その日本的展開

吉岡斉

第二次世界大戦から福島第一原発事故まで、日本の原子力開発はどのように進められてきたのか。そして、国際社会における核開発問題の変遷を分かりやすく紐解く一冊。基本文献として素晴らしく、ぜひ推薦したい。 (朝日新聞出版)



社会学

社会を変えるには

小熊英二

「社会を変える」ために有効な手法を、社会科学・人文科学の殆どの分野をフルに活用しながら解説する。平易な言葉遣いであるにもかかわらず、内容は非常に深く、科学技術と社会の関係を考えるうえでも、示唆に富んでいる。 (現代新書)


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