AI時代に必要な「空間認識能力」 向上する仕組みを解明
AIと上手く付き合っていく能力
社会のAI化が今後もますます進むことが予想される中で、そうした社会の中で生きていく私たちには、AIと上手く付き合っていく能力が求められています。
AIと上手く付き合っていくためには、自分自身でデータを読み解き、今後を予測していくことで、新しい社会の設計図を作っていくことが重要です。こうした流れの中で、世界中の教育現場ではSTEM教育と呼ばれる新しい教育システムにおいて、子どもたちにこうした能力を身につけさせるべく、様々な取り組みを行っています。
科学、技術、工学、数学の「STEM教育」
STEMとは、科学、技術、工学、数学の英語での頭文字から作られた言葉です。もし、STEM領域での学びに共通した核となる能力があるとすれば、そうした能力を向上させる訓練は、大きな意味を持つことになります。こうしたSTEMにおいて核となると考えられているのが、グラフや地図などの図的表現を読み解く力になります。
空間認識能力は、訓練によって向上する
このような図的表現における情報を用いるために必要な空間認識能力は、訓練によって向上することが示されてきました。しかし、なぜ訓練によって向上することができるのかといった、背後にある仕組みは明らかになっていません。
私の研究は、心理学的な実験や、人間の眼の動きなどの生理的な指標を計測することを通して、こうした空間認識能力の訓練の背後にある仕組みを明らかにし、これからの社会において多くの人たちが、AIと上手く付き合っていくことができるようになることを目指しています。
「図的表現を用いた思考トレーニングによる空間的知能への影響およびその客観的評価」