核融合は、太陽の内部でも起きている、軽い原子が融合してより重い原子に変わる際にエネルギーを出す反応です。これを利用して発電を行おうと、フランスに日本も含めた国際協力で実験炉が作られ始めています。核融合炉では二重水素とトリチウム(三重水素)を核融合させることで莫大なエネルギーを取り出しますが、トリチウムは放射性物質です。その半減期は約12年と、短くありません。大気中に出てしまったトリチウムを検出することは、放射線リスクを考える上で重要です。
近赤外光を使った検出方法
私は近赤外線分光法という方法で、トリチウムを検出方法について調べています。自然界に拡散したトリチウムは、速やかに水に取り込まれてトリチウム水になります。トリチウム水はトリチウムよりも1万倍人体への影響が大きいと言われています。トリチウム水の検出には強い関心が持たれています。放射性物質の検出には、放射線の計測器によって被ばくした放射線の数値を確かめる方法が一般的ですが、それ以外のこのような電磁波を使った検出手法を持つことは非常に重要です。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→製造業、IT系、中高教員
分野はどう活かされる?
教員は大学で学んだ物理が直結した仕事になります。一般的に物理の基礎をもって、問題解決にあたれるようになっていることが期待されていると思います。