高レベル放射性廃棄物の地下埋め立てで安全な処分を
未来に負担をかけない処分
私は、放射性廃棄物処分の分野の研究をしています。
放射性廃棄物処分は、自国で安全に、かつ将来世代に負担をかけないように処分するという考えから、世界的に地下を利用した処分が選択されています。
地下の天然バリアで廃棄物を隔離
例えば、原子力発電における使用済燃料の再処理過程で生じる放射能が高い廃液は、日本では高温のガラスと溶かし合わせて固体化し、ステンレス製容器(キャニスタ)の中で固めます。
この高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)はさらに、粘土質の緩衝材で覆う「多重バリアシステム」として、地下300m以深に埋め立てる計画です。地下での埋め立てでは、その外側には岩盤がありますので、この天然岩盤そのものにもバリア機能が期待され、天然バリアと呼ばれています。
このように、複数のバリアで廃棄体を覆い処分することで、放射性物質による放射線の影響が人間の生活圏に届かないように、防護(隔離)します。
処分施設のセメント系材料にもバリア機能を
一方で、地下は私たちが生活している地上とは異なり、地下水流れがあり、酸素が少ない還元雰囲気でもあります。
このような環境を想定し、私自身は、処分施設自体の建設に用いられるセメント系材料による影響や、セメント系材料にも放射性核種を収着するバリア機能が見出せないか、といった放射性物質の地下での移行挙動や様々な相互作用を解明する研究を行なっています。
この分野では、これまで工学分野で前例がないほどの超長期のタイムスケール(万年単位)を想定しながら、原子力、土木、建築、化学、環境など、幅広い分野の専門知識を集めて、地道に研究や検討がなされています。
「地下冠水環境において放射性セレンの閉じ込め機能を発現するセメント系バリアの開発」
◆主な業種
(1) 電気・ガス・水道・熱供給業
(2) コンピュータ、情報通信機器
(3) 建設全般(土木・建築・都市)
◆主な職種
(1) 生産技術(プラント系)
(2) システムエンジニア
(3) 基礎・応用研究、先行開発
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 工学系、環境系を選ぶと思います。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? スウェーデン。国民性が好きです。IKEAのような家具に囲まれる暮らしにも憧れます。 |
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Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『キューティー・ブロンド』。陽気なブロンド女性が失恋を機に猛勉強し、ハーバード大学へ入学。勉強も、自分磨きの努力も怠りません。気持ちが晴れる映画です。 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? イベントスタッフ。好きなアーティストのライブ会場で仕事をすることも。 |