機械力学・制御

捨てられる未利用の振動を電気エネルギーに変える


長嶺拓夫 先生

埼玉大学 工学部 機械工学・システムデザイン学科/理工学研究科 機械科学系専攻

どんなことを研究していますか?

私たちの身のまわりには多くの小さな振動があります。例えば、製品を製造する工程で機械が動くとき、振動や音が発生します。その振動や音は、ものを作る動きの精度を落としたり、エネルギーのロスになったりします。私は、この振動や音の発生メカニズムの明らかにし、それらを制御・防止する方法を検討しています。

小型風力発電機の開発

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また、未利用の振動エネルギーを利用した小型の発電機の開発にも取り組んでいます。振動はエネルギー源として見過ごされていますが、捨てられている未利用の振動エネルギーを、電気エネルギーに変えることができるのです。最近の小型センサは微小な電気エネルギーでも作動するので、センサ向けの小型振動発電機の需要が高まっています。

また、風によって起こる振動を利用した小型風力発電機の開発も行っています。一般的な風力発電機には平均風速6m/秒以上の風が必要であり、サイズも大きいものになります。振動を利用し、かつサイズも小さく済みますので、新しい発電機の可能性を拓くことになるでしょう。

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展示会に参加した学生たち。自分たちの研究成果をポスターにまとめ発表しました。

興味がわいたら~先生おすすめ本

SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか

スティーヴン・ストロガッツ

SYNCとは「同期」(「synchronization」)のこと。自然の中にはさまざまなリズム(振動数)を持ったものがあり、何らかの相互作用があると振動数が一致し、多くのものが一斉に同じ振動数で振動する現象が見られる(例えば、ホタルがシンクロして光る)。このような「同期」が起こることについて、説明がなされている。本書の中では「自然の中」の振動を取り上げるが、現実には振動のメカニズムには様々なものがあり、制御工学で、そのメカニズムの解明により振動の防止に役立てる研究も行っている。 (蔵本由紀:監、長尾力:訳/ハヤカワ文庫)


複雑系 科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち

M.ミッチェル.ワールドロップ

多数のものが相互作用することにより現われる多様な現象(その性質や振る舞い)を「複雑系」という。従来の分析では説明するのが困難だった、物理、生物、経済などにおける現象を研究対象とする新しい科学。複雑系とは何かの解説もさることながら、複雑系の科学に挑んだ、革新的な科学者たちの姿を描いたドキュメンタリーも必見である。 (田中三彦、遠山峻征:訳/新潮文庫)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/総合科学技術・イノベーション会議の調査事業の一環としても、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。
各先生の所属など、掲載されている大学(学部・学科ほか)の名称は、2020年1月段階の調べによります。実際の進路選択等に際しては、各大学のHP等で改めてご確認ください。

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