社会学の本

日本のメリトクラシー 構造と心性

竹内洋

『大衆教育社会のゆくえ』をはじめとする苅谷剛彦の研究と並んで、日本で学歴取得をめぐる競争が大衆的規模で拡大する「メリトクラシーの大衆化」が生じたのはなぜかという問いに迫った、1990年代日本の教育社会学を代表する業績の書。専門学術書だが、挑んでほしい。 (東京大学出版会)



命題コレクション 社会学

作田啓一、井上俊:編著

社会学の50のテーマが様々な専門の著者によって紹介。社会学の良いところが網羅、凝縮されている。本書を読んで何か感じるものがあれば、ぜひ社会学の受講を考えてほしい。大学院受験者必読と言われており、高校生には少し高度かもしれないが挑戦してみてほしい。 (ちくま学芸文庫)



断片的なものの社会学

岸政彦

社会学者の「まなざし」を知るために、オススメの本。路上のギター弾き、夜の仕事、元反社会的組織、在日コリアンなど、様々な人々へのインタビューとエッセイから構成されている。「何事もない、普通の」物語から語り手の人生を感得させるような本。安易に対象を解釈しようとするのではなく、抽象化し分析してしまうと解釈からすり抜けていってしまうような、平凡で普通の、何かを通じて「理解できない」対象に近づいていく。インタビューを含む社会調査は、社会学という学問の最大の学問的特徴の一つだが、必ずしも「事実」を外部から客観的に観察するためではない。社会学が重視するのは、人々によって認識されている「意味」だ。この本からは、語りの「意味」に寄り添おうとする社会学者の態度を知ることができるだろう。 (朝日出版社)



ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件

杉山春

いま、日本社会で子育てがどれほどの労力を、母親にかけているのか。そして、世間でスキャンダラスに報道される母親による「虐待」。これは実は、本人の問題というより、育児をする母親に対して日本社会が冷淡であること、無理解であること、母親の負担を共有しないという態度から生じていることがよく理解できる本だ。母親ひとりに責任を押し付ける社会が、いかに母親だけでなく、子どもにも悲劇をもたらすかも明らかにされている。 (ちくま新書)



科学は誰のものか 社会の側から問い直す

平川秀幸

遺伝子組み換え作物から再生医療まで、私たちは暮らしに関わる科学技術の問題にどう向き合っていけばいいのだろうか。科学の営みと市民社会との関わりについて、文系のアプローチを通じて考えることを促す入門書。 (生活人新書)



990円のジーンズがつくられるのはなぜ?

長田華子

世界の縫製工場といわれるバングラディッシュ。世界中のアパレルからの大量の発注に応える、その縫製工場の現実を教える本。先進国の豊かな暮らしは途上国の人々の過酷な労働の上に成り立っていることに、少しでも思いをはせることができるようになる。 (合同出版)



社会を変えるには

小熊英二

「社会を変える」ために有効な手法を、社会科学・人文科学の殆どの分野をフルに活用しながら解説する。平易な言葉遣いであるにもかかわらず、内容は非常に深く、科学技術と社会の関係を考えるうえでも、示唆に富んでいる。 (現代新書)



しあわせに働ける社会へ

竹信三恵子

今日、私たちの社会で「働く」ことは、正社員としても非正社員としても相当に厳しい状況にあることを解説する。あわせて、それに対して具体的にどのような対応策があるのか、求めるべき社会の仕組みはどのようなものかを解説し、働くことによって幸せになれる社会を展望している。労働の困難の背景には、ジェンダーがあることも明快に指摘されている。労働者に何が保障されているのかという大切な知識も詰まっている。社会に出る前に是非読んでほしい一冊だ。 (岩波ジュニア新書)



世界を見るための38講

宇都宮大学国際学部:編

「栃木というローカルな地域において、グローバルかつ普遍的な視点に立つ」宇都宮大学国際学部の38名の教員たちが、国際関係、アジア、文化、多言語、足元の地域、遠方の地域、学問の方法の7つの切り口から、複雑で多様で繊細、そしてますます混迷を深める世界を、自分の目で見るための「窓」を提供する。スウェーデンのごみ分別の現場を探り、スウェーデンが生き残りをかけて、持続可能な都市形成を戦略的に進めていること、福島原発事故後の乳幼児や妊婦の被害者状況を明らかにし政策提言していることなど、多様なテーマの38講。 (下野新聞社)



男性の非暴力宣言  ホワイトリボン・キャンペーン

多賀太、伊藤公雄

ジェンダー論は女性だけの問題ではない。暴力と結びつけられがちな男性性からの脱却は、女性に対する暴力、いじめなど問題の解決には不可欠だ。私たちの社会で男性が背負う、男性のありかたを見直すことは、男性自身の解放につながるだろう。 (岩波ブックレット)


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