◆DNA鑑定◆

一人ひとり異なるDNAが物語る、犯罪や親子関係

DNAとは、生命体の遺伝情報を格納した核酸のことで、体の細胞全てに含まれる。そしてDNAは同じ種の生物、例えば同じヒトであっても、一人ひとり異なる。そこでこれを利用して、DNAから個人を特定しようというのがDNA鑑定だ。

犯人や被害者の特定などのために実際にDNA鑑定を行うのは、医学の中の「法医学」で、より精度の高い鑑定法の研究もしており、最近では双子の識別もできるようになった。そしてDNA鑑定に関する法律上の問題のうち、【刑事法学】では犯罪捜査に関する問題を、【民事法学】では親子鑑定など民事上の問題を扱う。【新領域法学】では、DNA鑑定関係の規定を含む「医事法」も研究されている。

また、DNAの解析は、今を生きるヒトだけでなく、魚や家畜を含む動物の研究（【水圏生命科学】【動物生産科学】）、遺跡で発見された人骨や動物の骨、稲の品種の鑑定（【考古学】や【自然人類学】）など、幅広い分野の研究に活用されている。