990円のジーンズがつくられるのはなぜ? ファストファッションの工場で起こっていること

長田華子

皆さんが身につけている洋服は、どこで、誰が、どのように生産したものでしょうか。大量消費社会で生活していると、消費に追われてばかりで、生産現場の様子を想像する機会は少ないはずです。私たちが日常的に消費しているモノには海外の生産物も多く、過酷な労働条件の下で生産された商品も少なくありません。この本ではジーンズに焦点をあて、そのグローバルな生産・流通体制を詳細に示しながら、労働に従事するバングラデシュの人々の厳しい生活現実に迫っています。

『ザ・トゥルーコスト』というドキュメンタリー映画でもこのファストファッション業界の闇が暴かれています。こうした生産する人と消費する人の分断を最初に告発したのが、鶴見良行『バナナと日本人』(岩波書店、1982年)でした。以来、キャットフードやチョコレート、スマートフォンなど様々な商品の背後に潜む矛盾を顕在化させる取り組みが重ねられてきました。

私たちは「消費」を通じて社会に参加しています。だとすれば、「消費」を通じて世界を変えられるのかもしれません。 (合同出版)

同じ分野のおススメ本

こちらもおススメ




みらいぶっくへ ようこそ ふとした本との出会いやあなたの関心から学問・大学をみつけるサイトです。
TOPページへ