社会学の本

グローバル化の中で生きるとは 日系ブラジル人のトランスナショナルな暮らし

三田千代子:編著

日本で暮らす日系ブラジル人の生き方を通し、国家という枠組みにとらわれない、人の生き方や社会文化の姿を提示する。日本での日系ブラジル人の雇用、学校や教会、生活戦略など、多方面から検討されている。日系ブラジル人にとって宗教は異国においても重要だが、天理大学の山田政信先生が、宗教社会学の視点から、日本で設立されたブラジル系プロテスタント教会について執筆している。 (SUP上智大学出版)



990円のジーンズがつくられるのはなぜ?

長田華子

世界の縫製工場といわれるバングラディッシュ。世界中のアパレルからの大量の発注に応える、その縫製工場の現実を教える本。先進国の豊かな暮らしは途上国の人々の過酷な労働の上に成り立っていることに、少しでも思いをはせることができるようになる。 (合同出版)



ハマータウンの野郎ども

ポール・ウィリス

いわゆるイギリス版「不良少年」の研究本だが、一方で学校文化とは何かという点について、真面目に論じている。日本の学校文化を知る比較対象にもなるだろう。 (熊沢誠、山田潤:訳/ちくま学芸文庫)



定常型社会 新しい「豊かさ」の構想

広井良典

著者の京都大学・広井良典先生が提唱する「定常型社会」とは、右肩上がりの成長、特に経済成長を絶対的な目標としなくとも十分な豊かさが実現されていく社会のこと。そうした経済成長至上主義ではない、定常化社会において、どのような社会保障が必要か、福祉のあり方について独創的に論じられている。 (岩波新書)



お母さんを支えつづけたい 原発避難と新潟の地域社会

高橋若菜、田口卓臣:編著

原発事故から何年も経った今日も、多くの人が全国で避難生活を続けており、その中には大勢の母子も含まれる。避難する母子たちと温かく迎え入れた地域社会で、人と人がつながる様子を描く。支援者インタビュー、避難者からの手紙、子育て福祉専門家の解説、編者による原発避難の現状のデータ解説を収録。 (本の泉社)



科学は誰のものか 社会の側から問い直す

平川秀幸

遺伝子組み換え作物から再生医療まで、私たちは暮らしに関わる科学技術の問題にどう向き合っていけばいいのだろうか。科学の営みと市民社会との関わりについて、文系のアプローチを通じて考えることを促す入門書。 (生活人新書)



女性を活用する国、しない国

竹信三恵子

世界の中でも女性の活用が進まない国、日本。その現状を諸外国と比較しながら解説し、将来の男女平等な社会のあり方を展望する。ブックレットらしく手軽に読める分量でありながらも、データをふんだんに使用しながら詳しく解説しており、充実した一冊だ。 (岩波ブックレット)



忘れられた日本人

宮本常一

著者は生涯旅をしながら日本各地の民間伝承を調査し記してきた民俗学者。民話の起源などをたどる13編からなる本書を通じて、明治から昭和期の民衆社会がどのようにできていたかが学べる。 (岩波文庫)



社会を変えるには

小熊英二

「社会を変える」ために有効な手法を、社会科学・人文科学の殆どの分野をフルに活用しながら解説する。平易な言葉遣いであるにもかかわらず、内容は非常に深く、科学技術と社会の関係を考えるうえでも、示唆に富んでいる。 (現代新書)



断片的なものの社会学

岸政彦

社会学者の「まなざし」を知るために、オススメの本。路上のギター弾き、夜の仕事、元反社会的組織、在日コリアンなど、様々な人々へのインタビューとエッセイから構成されている。「何事もない、普通の」物語から語り手の人生を感得させるような本。安易に対象を解釈しようとするのではなく、抽象化し分析してしまうと解釈からすり抜けていってしまうような、平凡で普通の、何かを通じて「理解できない」対象に近づいていく。インタビューを含む社会調査は、社会学という学問の最大の学問的特徴の一つだが、必ずしも「事実」を外部から客観的に観察するためではない。社会学が重視するのは、人々によって認識されている「意味」だ。この本からは、語りの「意味」に寄り添おうとする社会学者の態度を知ることができるだろう。 (朝日出版社)


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