数学でみた生命と進化 生き残りゲームの勝者たち
カール・シグムンド
この本は生物学に関する数学の書である。高校で学ぶ数学以外の科目の中で、数学が登場するのは物理ぐらいだ。そのため、一見、数学と生物学とは無縁に感じるが、生物学においても数学的な思考が重要であることがわかる。本書には数理生物学の代表的なトピックスがたくさん書かれており、数理生物学を概観することができる。数理生物学の中でも、特に著者の専門分野である進化ゲーム理論と言われる分野に焦点が当てられている。生命を数学で理解することの魅力を感じてほしい。また、著者は数学の分野で学位を取り、数学科で生物学の理論的な研究を行ってきた人。そのことからも数学と生物学とは無縁ではないことがわかると思う。
(富田勝:訳/ブルーバックス)
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