膨大なデータで経済を分析・検証する計量経済学の役割が重要に
経済を測る学問=計量経済学
私の研究は計量経済学という分野に属します。経済学は、人々や企業、政府がどのようにお金を使い、どんな政策を決め、それが社会にどんな影響を与えるのかを考える学問です。「計量経済学Econometrics」は「Economics(経済学)」と「Metrics(測定)」を組み合わせたもので、つまり「経済を測る学問」という意味です。データや統計の手法を使って、経済の動きや理論を分析・検証する分野です。
A/B テスト 素早く判断できる理論を研究
私は今、A/B テストに関する計量理論研究を行っています。A/B テストとは、2つの選択肢を比べてどちらが良いかを調べる実験のことです。GoogleやAmazonなどのハイテク企業では、毎年数千ものA/Bテストを行い、製品改善を行っています。例えば、2種類の広告のデザインを用意して、人々がどちらにより反応するかを比べます。
しかし、このようなテストには時間やお金がかかることが多く、すぐに結果が出る場合には早く実験を終わらせるほうが効率的です。そこで私の研究では、データを順番に観察しながら(逐次的に)判断する仕組みを考えています。効果の違いが早くわかったときに、一定の正確さを保ちながら、素早く決定できるようにする理論を研究しています。
IT技術の発達により、現代では毎秒のように膨大なデータが生まれています。その中で「より正確に、より早く」判断するための計量経済学の役割は、これからますます重要になると感じています。
どんな特色?
京都大学経済研究所は、計量経済学・理論経済学・比較経済学といった経済学の主要分野に加え、空間経済学や非線形動学などの複雑系経済学、ゲーム理論などの分野においても、国際的に高い評価と影響力を持つ研究を展開しています。 経済のしくみを理論とデータの両面から捉え、社会の課題を科学的に理解しようとする研究が日々進められています。
経済研究所は研究機関ですが、京都大学には学部教育として経済学部があり、研究の最前線とつながった環境の中で学ぶことができます。経済学部の教育は、「社会で役立つ知識」を教えるだけでなく、自ら問いを立て、考え抜く力を育てることを重視しています。
学生たちはどんなところに就職?
卒業生は官公庁、金融・保険・証券業、商社、通信・ITサービス企業、コンサルティング会社、電力・ガス会社、各種製造業など、幅広い分野で活躍しています。大学院へ進学する学生も多く見られます。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 数学を学びます。数学は世界を理解するための「考えることば」であり、どんな学問にも通じる“思考の土台”だからです。 |

