◆分子生命化学◆

分子レベルの生命現象を解明する

分子生命化学は、生命現象、すなわち生体の中で起こっている化学現象を、分子レベルで解明する研究分野のこと。化学、生命科学、農学、薬学など多様な分野からの研究がある。

たとえば化学の【生体関連化学】では、核酸、タンパク質、糖質といった、構成する分子の化学反応を研究しており、【高分子化学】でも、生体を構成する高分子について研究する。生命科学の【機能生物化学】では、酵素の働き、ホルモンの働きなど生体を構成する分子の機能を研究。農学の【応用生物化学】では、農産物や畜産動物の代謝や生体分子の働きを解明している。【生物系薬学】では、薬を投与する対象となる人体の代謝などを研究する。

また、生体分子の大きさはナノサイズ（1nm＝10億分の1m）であるため、【ナノバイオサイエンス】でも、１分子レベルでの生体分子の性質や機能、分子を操作する研究などが行われており、その成果を活用した、バイオマシンなどの応用研究も進んでいる。【高分子・繊維材料】では、人工臓器や縫合材料など、医療で使われる高分子材料の研究も行っている。