呻吟語

呂坤、荒木見悟

中国の明の時代の人が書いた本で、日本でもこれまで度々出版されています。大塩平八郎や勝海舟も読んでいたことが知られています。この本は元々著者自身の修養のために自省と自戒の言葉を集めた本であり、高い普遍性を持ち、心を養うために有益な言葉を多く含む本です。普通に「学ぶ」ことなく生きていれば流されるであろう人間の傾向に対して戒めを与え、広い意味での禍いを避けるための知恵が学べます。

「学術というものは、単に知識を集積すればよいのではなく、心にかえりみて恥じることがなく、志に一点の邪念もないのが第一の肝要事である」、「思うに才能は誠から出るものである。才能が誠から出なければ、才能とはみなされない。誠であれば自然に才能が生まれてくる」、「才能と学問は、それを有するのは難しいことではないが、それを制御するのは難しいことである。君子が才学を尊重するのは、一身の徳性を成就するためであって、己れの長所をみせびらかすためではない。それによって世を救うためであって、人に誇るためではない」などの言葉は、学ぶことの本質をよく表した言葉だと思います。 (講談社学術文庫)

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