啓蒙とは何か
カント
カントは「あえて賢かれ」と説く。賢くなるには勇気がいる。勉学に励む高校生に、賢くなるとはどういうことなのか、立ち止まって考えてほしい。本書は一般向けに書かれた評論集で、現代社会に生きる我々の手引きとして今も色あせない。我々は普通、個人の立場での発言を「私人として」といい、役職者としての発言を「公の立場で」という。しかし、カントは全く逆だという。役職者としての発言は「理性の私的な使用」であり、個人としての発言こそ「理性の公的な使用」だという。この逆転は、「会社のため」「役所のため」といった言い訳での不正が後を絶たない日本社会で、我々が忘れてはならない視点を提供してくれる。
(篠田英雄:訳/岩波文庫)
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