ことば・物語って、歴史・文化って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

哲学・思想

ソクラテスの弁明・クリトン

プラトン

「ソクラテスの弁明」は、民衆裁判にかけられたソクラテスの弁明を通して、「無知の知」や「正義」など哲学的なテーマについてのソクラテスの信念が語られ、哲学的な思考とはどのようなものかが提示される。「クリトン」では、ソクラテスの死刑が確定したその朝にかわされた友人クリトンとの対話に、思索の緊張を読み取ってほしい。 (久保勉:訳/岩波文庫)



文学・芸術

言語政策とは何か

ルイ=ジャン・カルヴェ

インドやシンガポールなど多民族国家では、どのような言語や方言を「国語」や「標準語」にするかは国が決めているが、これは言語政策の一例だ。言語政策という用語はほとんどの人にとっては初めて聞くものだろう。本書によって、言語政策とは何か基礎から理解できる。 (西山教行:訳/文庫セクジュ)



文学・芸術

細雪

谷崎潤一郎

戦前の関西を舞台に、上級階級の四人姉妹が織りなす日々の物語。谷崎文学は耽美的な作風、倒錯的・背徳的な主題で有名だが、この作品は少なくとも表面的にはそういう世界とは別のところにある。日本を代表する小説であり、とても読みやすいのでぜひ読んでみてほしい。 (新潮文庫)



哲学・思想

言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

野矢茂樹、西村義樹

「ことばの科学」言語学には、様々なアプローチがあり、その1つが「認知言語学」だ。認知言語学の入門書として、もっとも楽しくてためになるのが本書。1980年代から90年代にかけて大きく発展した認知言語学は比較的新しい領域だが、扱われるのは人類の歴史の中で長年論じられきた、「ことば」と「こころ」の問題。昨今はコンピュータによる統計処理が言語学に導入されるようになってきたが、認知言語学の理論自体は古くからある言語学上の、あるいは哲学上の理論や考え方に大きく根ざしている。本書からは、認知科学の一分野である認知言語学の「古くて新しい」特徴が見えてくるだろう。 (中公新書)



文学・芸術

新版 古事記 現代語訳付き

言わずと知れた日本最古の歴史書。日本神話のみならず、現在にまで通底する日本人の信仰や文化の原型・祖型を知るための必読の書。本書には、厳密な史料研究の成果が盛り込まれている。また、現代語訳が付いているところが良い。 (中村啓信:訳注/角川ソフィア文庫)



これが九州方言の底力!

九州方言研究会:編

九州方言の特色を語学的に分析し、わかりやすく紹介。言葉は文化そのものであり、脈々と受け継がれる歴史そのものでもある。文化に限らず、すべての事柄が言葉によって受け継がれ、人に伝達される。言葉や表現を分析することがいかに大切かを、本書を通して知ることができる。岡山大学の江口泰生先生は、江戸時代にロシアに漂流した日本人の記録を読み解き、当時の方言を研究。その一部、鹿児島方言について本書の中で紹介している。 (大修館書店)



身ぶりと言葉

アンドレ・ルロワ=グーラン

人類の誕生と進化を、生物学、考古学などを融合させた幅広い独特の視点で語る。動物と人間との違いは何だったのかを、「身ぶり」と「言葉」の視点から考える。石器を作る技術の進化から、知能や言語能力の進化を解き明かす、スケールの大きな著作。 (荒木亨:訳/ちくま学芸文庫)



歴史・地理

忘れられた日本人

宮本常一

著者は、昭和14年から日本各地を歩き回り、各地の民間伝承を調査してきた。本書は、地方の老人たちから聞きとった、地方に生きる人々を鮮やかに描く。近代以前の日本人のスケールの大きな生きざまが、生き生きと伝わってくる。 (岩波文庫)



高杉さん家のおべんとう

柳原望

人文地理学の中でも、生業に関する文化地理学的な視点を多分に含んだコミックス。主人公は地理学のオーバードクター。地域おこしなど現代的なトピックスも扱っており、楽しみながら人文地理学に関する基本的な考え方が理解できる。 (メディアファクトリー)



文学・芸術

三国志 演義から正史、そして史実へ

渡邉義浩

184年、中国で黄巾の乱が起こると、後漢は動揺し、戦乱の時代を迎えて、やがて魏、蜀、呉の三国が鼎立する。この時代の「正史」が歴史書の『三国志』。明代に時代小説となったのが『三国志演義』で、劉備、関羽、張飛、諸葛孔明、そして曹操、孫堅など魅力ある人物が大活躍する。日本でもこれらを下敷きにした小説、ゲームが作られている。なお『三国志』は「正史」といっても書き手の偏向があり、史実とは限らない。本書は『三国志演義』を入口に、「正史」、さらに史実へと読者を誘う。学術書ではないが、三国志の時代の政治や文化を知ることができる。 (中公新書)



歴史・地理

環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争

松井章

遺跡から出土する動物の骨や植物の種などを研究すると、昔の人の食生活もわかる。古代の便所を発掘すると、寄生虫の卵なども発掘され、川魚を刺身で食べていたことも推測できる。考古学の中でも、特に動物や植物など人間のまわりの自然環境と関わる分野を環境考古学と呼ぶ。著者は骨の専門家なので、人骨についた傷あとから戦闘の様子を生々しく再現する様が語られる。物的証拠を扱う考古学が、警察の鑑識のような仕事に近いこともよくわかるだろう。著者の体験談を中心に説得力を持って語られて興味深い。 (岩波新書)



文学・芸術

本は読めないものだから心配するな

管啓次郎

様々なジャンルの本や写真集、映画をめぐる珠玉のエッセイ集。特に詩的なテクストとの付き合い方についての深い洞察に満ちている。この本の帯に、作家でフランス文学者の堀江敏幸氏は「管啓次郎は、批評を紀行にしてしまう思想の一匹狼、もしくは詩的なコヨーテだ。」と書いた。本などを評する管啓次郎氏の文章に、心に響く言葉がつまっている。  (左右社)



文学・芸術

その一言が余計です。 日本語の「正しさ」を問う

山田敏弘

「こちらでよろしかったですか」や「コーヒーになります」など、アルバイトで間違った敬語と言われる言葉にも、成立した理由がある。一方、老人達は若者の言葉を責め立てる。その理由は何なのか。様々な表現を賛否両面から検討した、中高生にも理解しやすい一冊。日本語学は、学問成果を積み上げるだけでなく、すべての日本語使用者に還元できる知見を蓄積するもの。本書は、言語研究者ならだれでも言う、「言語変化は当然だ」という観点で保守的な考え方を捨てるよう諭すのではなく、なぜ保守的な考えを持つのかも考えるという、学問分野の知見をよりよく社会に還元する方法を考える。 (ちくま新書)



哲学・思想

科学の真理は永遠に不変なのだろうか サプライズの科学史入門

中根美知代ほか

ガリレオがピサの斜塔で実験を行った話がウソであったり、ダーウィンは「科学者」ではなかったこと、そして「科学者」という職業が生まれてきた経緯などが複数の著者によって書かれている本。少しびっくりする科学史のエピソードから、科学の歴史の全体を見渡すことが出来るだろう。 (中根美知代、佐藤賢一、小山俊士、三村太郎、矢島道子、中澤聡、隠岐さや香、河野俊哉、有賀暢迪、溝口元、大谷卓史/ベレ出版)



文学・芸術

戦国の日本語

今野真二

古文の授業でもほとんど接する機会のない、中世(戦国時代)の日本語について知ることができる。武士の連歌、公家の日記、秀吉の書状など、多様な史料を用いて、当時の言葉の世界を描く。読者はこんな日本語があったのかと驚くことだろう。 (河出ブックス)



理系の視点からみた「考古学」の論争点

新井宏

この本は古代を探究する考古学について、考古学者が長年論争してきた謎を理系科学者の視点から考察している。著者は、もと鉄鋼会社の金属エンジニア。たいへん興味深い1つに、従来の炭素14年代年代測定法に対する疑問の提出がある。弥生時代はどこまで年代を遡れるかという謎に対し、国立歴史民俗博物館グループの主張する「弥生時代中期のはじまりは紀元前370年頃」という説はまったく合わないと述べ、鉛の同位体の比率に基づく分析法を駆使、著者は紀元前250年頃と結論する。卑弥呼の鏡と言われる三角縁神獣鏡についても、主観的な思考を排し、基礎的な数値データに基づき興味深い仮説を展開する。文化財科学の入門書としても面白く読める。 (大和書房)



歴史・地理

銃・病原菌・鉄

ジャレド・ダイアモンド

この本は、西欧文明が歴史的になぜ地球の覇者となり得たかという疑問を、「銃・病原菌・鉄」という3つのキーワードで解き明かす。まずヨーロッパ人がインカ帝国など新大陸の先住民を植民地化できた直接の要因に、銃と鉄製の軍事技術をあげる。しかし先住民の犠牲者ではるかに多かったのは、天然痘などの旧大陸から持ち込まれた病原菌だ。人間の伝染病の多くは、家畜由来のものが多い。早くから農耕・集住化し家畜を飼っていた侵略者のヨーロッパ人に免疫力があったのに対し、先住民になかったという。著者は進化生物学者。遺伝学、行動生態学、言語学、文化人類学、政治史などさまざまな学問的成果を援用しながら、この大著を書き上げた。 (倉骨彰:訳/草思社)



文学・芸術

日本語と外国語

鈴木孝夫

虹は7色ではなく、6色だとする国、3色だとする地域もあるが、これは言語によって異なるのだという。太陽の色も言語によって赤だったり黄色だったり! こうした言語による表現の違いなどを、様々具体例から知ることができる。外国語は読み書きできても、その言語の背後にある文化を知らなければ真の理解は難しい。日本語や漢字の長所についても考察されている。 (岩波新書)



学校では習わない江戸時代

山本博文

江戸時代がよくわかる一冊。参勤交代はトラブル続き、地方自治のルーツは一揆にあり。史実の背景や、イメージとは反する江戸の歴史を見せてくれる。固定観念にとらわれずに歴史を見ていくことの大切さを教えられる。 (新潮文庫)



心で知る、韓国

小倉紀蔵

韓国の哲学と文化に通じた気鋭の著者が、韓国人の行動と意識の背景を、心・身体・愛・美・文化・人間関係・社会・言葉・宗教・空間・時間・他者の12のキーワードから解説する。韓流ドラマや食文化など、親しみやすい話題もあるが、韓国の人々の内面を知る手立てとなる、「恨」や「理」・「気」、道徳、美意識や礼儀などがわかる。 (岩波現代文庫)


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