地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

数学

数学を使わない数学の講義

小室直樹

数学の視点や方法論について、様々な角度から説明した本。高度な内容でありながら、わかりやすく、数学的アプローチという観点から見ても面白い。同著者による『数学嫌いな人のための数学―数学原論』(東洋経済新報社)も合わせて読むとよい。 (ワック出版)



物理/素粒子、宇宙

物理法則はいかにして発見されたか

R.P.ファインマン

高校まで学んできた物理学(古典物理学)の考え方とは全く違う、20世紀以降の物理学(=物質世界観)に触れることができる。重力法則、量子論の波の考え方、物理法則の対称性など、ノーベル物理学賞者であるファインマン独特の楽しい語り口で幅広く物理に触れられる。難しい章もあるが、要点をフォローするだけでも科学的視野が広がる。 (江沢洋:訳/岩波現代文庫)



枝分かれ 自然が創り出す美しいパターン3

フィリップ・ボール

自然に潜むパターンの数理を、美しいビジュアルを楽しみながら明かすフィリップ・ボール著の3部作の3冊目。木の成長と枝の付き方などについて、個々にどのようなルールを規定すれば全体としてどのような振る舞いが得られるのか、わかりやすく書かれている。木だけでなく、ガラスの割れ目、山肌、川筋…生物・無生物を問わず、自然が創り出す“枝分かれの科学”が展開される。 (桃井緑美子:訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)



数学

フェルマーの最終定理 

サイモン・シン

フェルマーは、17世紀のフランスの数学者。「数論の父」と呼ばれる。数論とは数、特に整数の性質について研究する数学のことで、代数学の一分野。職業は弁護士、数学は余暇に行ったが、晩年、本の余白に書き残したという逸話で有名なのがフェルマーの定理だ。長らく証明も反証もなされなかったが、360年後、アンドリュー・ワイルズによって完全に証明され、ワイルズの定理あるいはフェルマー・ワイルズの定理とも呼ばれるようになった。この本は、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、数学ノンフィクション。数学の分野の醍醐味だけでなく、学問的な難問に挑戦してきた数学者のドラマを通して学問の醍醐味を味わえる。 (青木薫:訳/新潮文庫)



物理/素粒子、宇宙

星のかけらを採りにいく 宇宙塵と小惑星探査

矢野創

2010年、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は地球帰還を果たした。前人未到の試みだったのは、地球重力圏外にある小惑星イトカワに着陸して、宇宙塵、つまりその星のかけらを人類で初めて持ち帰ったことだ。著者はその試料採取任務の責任者で宇宙塵の専門家。この本は、宇宙塵を分析することで地球外物質が発見されれば、それは太陽系や生命の誕生の謎を解明する手がかりになる大きな可能性があることを伝える。宇宙塵研究、さらには宇宙探査の現場から新たな挑戦を語る。 (岩波ジュニア新書)



地球科学

貝のミラクル 軟体動物の最新学

奥谷喬司

貝類とは、軟体動物のうち貝殻を持つものの総称、または貝は軟体動物の別称としても使われる。この本は、世界に7~8万種はいるといわれる貝類を含む軟体動物のユニークな生態を、エピソードを混えて紹介する。古生物学、生物学、水産学など多方面から貝の謎に迫っていて、読みやすくわかりやすい。 (東海大学出版部)



数学

無限論の教室

野矢茂樹

この本の中に無限について有名なアキレスと亀の話が出てくる。足の速いアキレスは亀より後ろの位置からスタートした。アキレスが亀のスタート位置まで走る間に、亀は何メートルか進む。 しかしその亀の位置までアキレスが走る間に、亀はさらに前へ進んでいる。 その位置までアキレスが走る間に、さらに亀は…このようにアキレスは永遠(無限)に亀に追いつけない、というパラドックスだ。この本は無限に関する素朴な問いに始まり、オーストリアの数学者ゲーテルが数学的命題について示した不完全性定理まで、哲学者の野矢先生が語る。高校数学で学ぶ無限という概念がいかに漠然としたものであるかを知ることができる。 (講談社現代新書)



物理/素粒子、宇宙

中学・高校物理のほんとうの使い道

京極一樹

中学、高校時代に、三角関数や微分・積分などは何のために学ぶのだろう、と思ったことはないだろうか。数学に限らず物理においても、課題には背景があることがわかると、より面白く学ぶことができる。この本では、教科書よりもリアルに、より身近に物理学の使い道を知ることができる。 (じっぴコンパクト新書)



数学

素数入門 計算しながら理解できる

芹沢正三

素数とは、1より大きい自然数で、正の約数が1と自分自身のみの数のこと。具体的に2、3、5、7、11、13、17…と無限に続く。素数について調べることは、整数論という代数学の1分野の重要な課題だ。約数、倍数、最大公約数を求める手法のやさしい話から始まって、素数にまつわるいろいろな予想や、情報セキュリティの世界で有名なRSA暗号の話などまで興味は広がる。手を動かして自分で計算することを想定しているところがおすすめ。また、数学の歴史などにも触れられていて、楽しく読めるように配慮されている。中高生でも興味を持てる素朴な問いでありながら、一流の数学者がいくら挑戦してもなかなか解けないような難問がたくさんある本。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

マンガでわかる熱力学

原田知広

この本は、大学の熱力学の授業を難しく感じている大学生向けに書かれた。もちろん高校生にも十分に読むことができる。エントロピーとは何かを熱力学の観点から理解することを目的としている。エントロピーが増大するとは、コーヒーカップが床に落ちてバラバラに壊れるように力学的な仕事において無秩序が増大することで、バラバラになったコーヒーカップが元通りになるような逆方向には働かない。それは熱力学の第2法則から導き出される。また最後の部分で、ブラックホールの熱力学についても触れている。 (オーム社)



数学

パソコンで開く数の不思議世界 

飯高茂

循環小数とは、ある桁から先で同じ数字の列が無限に繰り返される小数のことだ。例えば、1/7=0.142857142857…が延々と繰り返される。この循環する「142857」を2倍、3倍…、6倍してみたり、あるいは2分割した数を足してみたり(142+857)、3分割して14+28+57を計算してみると不思議なことが起こる。この本では、そこを理解するためにパソコンを使って謎解きをする。つまり、7を分母とする循環小数を例に、そのおもしろい性質から説き起こし、簡単なプログラミング、初等整数論の話題を紹介し、最後に循環小数のややくわしい理論を論じている。これらは代数学の基礎になる整数論を学ぶ上で入口になるという。 (岩波ジュニア新書)



物理のなかの数学

田村二郎

数学と物理学が密接に結びついていることは疑う余地がないにも関わらず、これらを関連付けて解説する学問に高校までで触れる機会は少ない。この本は高校生には全て理解できるとは限らないが、高校の物理の授業で感じていた疑問や不満の解消と、大学に入ってからの勉学に役立つと思われる。 (東京図書)



かたち 自然が創り出す美しいパターン

フィリップ・ボール

規則正しいハチの巣、動物の体の模様や化学反応が作り出す模様――。自然のパターンの秩序と規則性はどのようにして現れるのか、どのようにして混沌から秩序が現れるのか、自然にみられる形はどのように作られるのか。数式を用いずに、わかりやすく簡潔に説明している。それらを科学的に解明するためにモデリングを通して、数式やルール作りが必要であり、異なる現象でも共通の形成メカニズムが背景にありうることが示唆されている。また数学を用いて複雑現象を解明していくことが必要とされていることがわかる。 (林大:訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)



物理/素粒子、宇宙

物理学はいかに創られたか

アインシュタイン、インフェルト

物理学に関する歴史的に有名な入門書。著者はアルバート・アインシュタインとレオポルト・インフェルト。ガリレイやニュートン以来の古典的な物理思想から始まり、アインシュタイン自身の相対性理論、そして同じくらい20世紀の物理学に大きな影響を与えた量子論について、解き明かしている。インフェルトはアインシュタインの弟子で、ポーランドのユダヤ人物理学者。必ずしも数学が得意ではなかったアインシュタインに対して多くの数学的助言をしたといわれる。もっともこの本では数式は用いず、巧みな比喩と明快な叙述で書かれている。翻訳も素晴らしく、物理学の魅力が小学生から一般向けにやさしくしかも格調高く語られる。 (石原純:訳/岩波新書)



物理/素粒子、宇宙

物理の散歩道

ロゲルギスト

著者名ロゲルギストといっても、外国人ではない。議論好きな日本の物理学者7人が語り合う時のグループ名。紙風船の謎、混雑する電車内、ミルクの渦など、日常のありふれた風景や現象に対して物理的に考え、議論した内容をエッセイに。物理の考え方がよく書かれている。題材は高校生にもわかるもので、文章もわかりやすい。 (ちくま学芸文庫)



地球科学

ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語

スティーヴン・ジェイグールド

約5億年前のカンブリア紀のバージェス動物群という海棲動物を紹介した書籍。進化生物学者である著者は、現在に子孫を残していないこうした動物たちを「奇妙奇天烈動物」と呼び、古生物学の見地から進化を一般向きに解説し、ベストセラーになった。進化、動物の多様性、多面性、また表面的には複雑怪奇に捉えてしまいがちな事象・現象に潜む原理・法則性を見出すことの歓びを感じて欲しい。 (渡辺政隆:訳/ハヤカワ文庫)



物理/素粒子、宇宙

これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

ウォルター・ルーウィン

X線宇宙物理学が専門の、マサチューセッツ工科大学の教授による文字通り体を張った数々の実験を交えた物理学の名講義を本にしたもの。エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕いてみせる。著者の熱意がひしひしと伝わってくる読み物で、きっと物理学が好きになるだろう。 (東江一紀:訳/文藝春秋)



物理/素粒子、宇宙

地磁気逆転X年

綱川秀夫

地磁気は太陽風のバリアとなって電波障害を食い止めている。地磁気がないとスマホもできない。そんな地磁気は、地球の歴史を紐解く上で重要だ。地磁気がなければ地球の大気は太陽風で剥ぎ取られ、現在の火星のように不毛な惑星になっていたかも知れない。地磁気を研究している大学の研究室を高校生が訪問し、率直な疑問を投げかける設定で書かれているため、とても読みやすい。本の主人公になったつもりで読んでみて、面白さを感じてほしい。 (岩波ジュニア新書)



物理/素粒子、宇宙

すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線

多田将

茨城県東海村から、500キロ離れた岐阜県のスーパーカミオカンデに向けてニュートリノを撃ち込む。この物理学史上最大規模のすごい実験を「T2K」という。スーパーカミオカンデとは、小柴昌俊博士がノーベル賞を受賞したニュートリノ実験施設、カミオカンデをさらにバージョンアップした施設。この本は、日本が世界に誇るニュートリノの実験について、高校での授業をもとにわかりやすく解説している。見学できる機会も少なく、何をやっているかわからない、この大きな施設で行われている実験内容を身近な話題から説明するなど、比較的親しみやすい内容となっており、優れている。 (イースト・プレス)



数学

カオスとフラクタル

山口昌哉

カオスとは、ギリシャ語で混沌という意味で、自然の中の複雑な現象を解く数学のこと。例えば竜巻のように、最初の動きがわかってもその後のでたらめな動きから生じる数的誤差により予測できないような複雑な様子を示す現象を扱う。フラクタルとは、やはり複雑な自然の形象を幾何学で表したもの。図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。身近な例では、ロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になったものや、リアス式海岸のような自然の複雑な形象がある。カオスとフラクタルは、身近で美しい現象であり、物理学、数学においてもたいへん面白い話題だが、この本はその一般向けの解説書。 (ちくま学芸文庫)


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