地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

物理/素粒子、宇宙

宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く

土居守、松原隆彦

ダークエネルギーとは、現代宇宙論と天文学の世界で、宇宙全体に存在するとされる仮説上のエネルギーのこと。プランク宇宙望遠鏡の観測結果からは、宇宙の質量とエネルギーに占める割合は、通常の物質が約5%なのに対し、暗黒物質というやはり正体不明の物質が約26%、ダークエネルギーが約68%と算定されている。通常の物質と暗黒物質が互いに引き合う重力のために宇宙を収縮させる働きがあるのに対し、ダークエネルギーは宇宙の膨張を加速していると考えられている。これだけ大きなエネルギーが宇宙を支配するのだから、宇宙は加速的に膨張するだろうというのが現在最もポピュラーな説。最新の宇宙物理に関する話題に興味のある人におススメ。 (光文社新書)



COSMOS

カール・セーガン

アメリカの天文学者・SF作家、カール・セーガンの手になる1980年代のミリオンセラーの同書は、現在の多くの天文学者が、中学・高校生時代に影響を受けた本ではないだろうか。情緒とロマンのある語り口で、宇宙の様々なトピックスが広く俯瞰されている。そして人間の宇宙における存在意義や宇宙における生命や地球の尊さを考えさせる、どの時代にあっても普遍的に読まれるべき秀逸な著書と言える。この本は朝日選書による完全復刻。元宇宙飛行士・山崎直子さんの書き下ろしエッセイ「人類の故郷、宇宙への思い」も収録する。上下2巻。 (木村繁:訳/朝日選書)



不変量と対称性 現代数学のこころ

今井淳、中村博昭、寺尾宏明

上級の発想に触れる、数学エッセイ。本書の解説にもあるように、「より高い視点から視野を広げて見渡し普遍的なものを抽出して物事の解決をはかるという数学に典型的な発想法」を味わうことができると思う。代数方程式のガロア理論、2次元トポロジー、結び目理論などを紹介。高校生には難しい箇所もあるが、数学全般の入門書となりえるだろう。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるマクスウェル方程式 電磁気を学びたい人、学びはじめた人へ

竹内淳

高校物理で習うように、電磁場は、電場(電界)と磁場(磁界)の総称だ。電場と磁場は時間的に変化する場合には、互いに誘起しあいながら変化していくので、まとめてそう呼ばれる。マクスウェルの方程式とは、この電磁場のふるまいを記述する古典電磁気学の基礎方程式のこと。この本は数式を必要最小限にとどめ、高校数学でわかるようになっている。電気系の大学に進学した人の中には、「高校物理で学習した電磁気学のさまざまな法則が、大学ではマクスウェル方程式という4つの方程式に集約されることに感動を覚えた」という意見も多い。高校で学習した物理や数学の内容で、より高度に洗練される過程を垣間見られることがよいかも知れない。 (ブルーバックス)



数学

数学ガール

結城浩

「僕」とその友達が、高校の授業ではやらない本格的な数学に挑戦! 小学校から高校まで学んできた数学がどのように発展し、社会の役に立っているのか、とてもわかりやすく書かれている。シリーズ多数、コミック版もある。 (SBクリエイティブ)



トムキンスの冒険

G.ガモフ

ガモフはロシア生まれのアメリカの理論物理学者。ビッグバンの提唱者として有名だが、難解な物理理論をわかりやすく解説する啓蒙書を多く著している。「トムキンスの冒険」は不思議の国、原子の国などでくりひろげる奇想天外な冒険譚。ある日トムキンスが列車の旅で着いた駅は、のろい町だった。実はアインシュタインの相対性理論によると、光速に近い速度で運動すると時間はいくらでも長くなる(つまり時間がのろくなる)ことが知られているのだ…。量子論勃興のころの躍動的な雰囲気を感じ取れる。この本以外でも『宇宙=1.2.3…無限大』『太陽と月と地球と』等々がある。こんなに面白いのに、なぜか廉価本が出ていない。図書館で借りて読むべし。 (伏見康治、鎮目恭夫、市井三郎、林一:訳/白揚社)



数学

フェルマーの最終定理 

サイモン・シン

フェルマーは、17世紀のフランスの数学者。「数論の父」と呼ばれる。数論とは数、特に整数の性質について研究する数学のことで、代数学の一分野。職業は弁護士、数学は余暇に行ったが、晩年、本の余白に書き残したという逸話で有名なのがフェルマーの定理だ。長らく証明も反証もなされなかったが、360年後、アンドリュー・ワイルズによって完全に証明され、ワイルズの定理あるいはフェルマー・ワイルズの定理とも呼ばれるようになった。この本は、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、数学ノンフィクション。数学の分野の醍醐味だけでなく、学問的な難問に挑戦してきた数学者のドラマを通して学問の醍醐味を味わえる。 (青木薫:訳/新潮文庫)



これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

ウォルター・ルーウィン

X線宇宙物理学が専門のマサチューセッツ工科大学の教授による、文字通り体を張った数々の実験を交えた物理学の名講義が本になった。エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕いてみせる。著者の熱意がひしひしと伝わって来る読み物で、物理学を楽しく体験的に勉強することができる。 (東江一紀:訳/文藝春秋)



数学

数学の好きな人のために 続・数学をいかに使うか 

志村五郎

著者は日本を代表する数学者。360年間未解決だったフェルマー最終定理の予想の解決に貢献したほか、多くの数学の難問を解決した。保型形式という現代数論で重要な役割を果たす研究の大家である志村五郎博士が数学初心者に向けて数学について、またその学び方をていねいに述べる。線形代数や解析学を知っている人が、それをどう他の数学に役立てていけるかについて書いている。 (ちくま学芸文庫)



トコトンやさしいプラズマの本

山﨑耕造

プラズマとは何なのか知らない人が多いと思うので、まずはプラズマのことを知るために。プラズマは、実は、オーロラや雷など自然界のプラズマや、半導体やLED、レーザ、蛍光灯など、人の暮らしのすぐ近くで利用されている。本書は、プラズマの基本的な性質の説明、宇宙におけるプラズマの例、身近なプラズマの例、核融合プラズマ、そしてプラズマにまつわる未来の展望の4章で構成。少し高度で専門的な内容も含んでいますが、広範囲にわたるプラズマ研究を概観するには適している。 (日刊工業新聞社)



物理/素粒子、宇宙

すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線

多田将

茨城県東海村から、500キロ離れた岐阜県のスーパーカミオカンデに向けてニュートリノを撃ち込む。この物理学史上最大規模のすごい実験を「T2K」という。スーパーカミオカンデとは、小柴昌俊博士がノーベル賞を受賞したニュートリノ実験施設、カミオカンデをさらにバージョンアップした施設。この本は、日本が世界に誇るニュートリノの実験について、高校での授業をもとにわかりやすく解説している。見学できる機会も少なく、何をやっているかわからない、この大きな施設で行われている実験内容を身近な話題から説明するなど、比較的親しみやすい内容となっており、優れている。 (イースト・プレス)



物理/素粒子、宇宙

物理法則はいかにして発見されたか

R.P.ファインマン

高校まで学んできた物理学(古典物理学)の考え方とは全く違う、20世紀以降の物理学(=物質世界観)に触れることができる。重力法則、量子論の波の考え方、物理法則の対称性など、ノーベル物理学賞者であるファインマン独特の楽しい語り口で幅広く物理に触れられる。難しい章もあるが、要点をフォローするだけでも科学的視野が広がる。 (江沢洋:訳/岩波現代文庫)



物理/素粒子、宇宙

量子的世界像 101の新知識

ケネス・フォード

現代物理とそれに基づく科学技術の発展を理解する上で不可欠な物理学の法則、 特に素粒子からブラックホールまで、古典物理学の世界観を覆す、奇妙でミクロな世界を記述する量子力学や素粒子物理学に関する内容を、101項目の具体的な用語や概念についての質問・回答形式で興味深く解説している。特に量子論とそれを基礎に発展してきた素粒子・原子核物理学のような現代物理学の内容が本全体に網羅的に解説されている。 (青木薫:監修、塩原通緒:訳/ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかる相対性理論 特殊相対理論の完全理解を目指して

竹内淳

20世紀の物理学に衝撃を与えたのは、アインシュタインの「相対性理論」だ。1905年に特殊相対性理論を発表し、10年後に一般相対性理論を発表したが、両方に共通し重要なのは、「時空間の概念を大きく変えた」こと。この本では特殊相対性理論を扱うが、実はその数学のレベルはそれほど高くなく、高校の数学と物理学の知識があれば、特殊相対性理論をほぼマスターできると書かれている。 (ブルーバックス)



宇宙創成はじめの3分間

S.ワインバーグ

宇宙はビッグバンという火の玉宇宙から始まり、最初の3分間で、ヘリウム、リチウムなどの比較的軽い元素が合成され、物質の基礎が創られた――。ビッグバンからの最初の3分間で宇宙がどのように形成されてきたかをドラマチックに語る。著者は、自然界の4つの力の1つ=弱い力の相互作用を発見したノーベル賞学者。この本は、「ビッグバン宇宙論」を一躍有名にした古典的名著。読者の知的好奇心を高めてくれる。 (小尾信彌:訳/ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

クォーク 第2版

南部陽一郎

2008年、ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎先生の一般向け素粒子物理の解説書。南部先生は、素粒子論を理解する上で非常に重要な概念一つ「自発的対称性の破れ」や、強い力の基礎理論「量子色力学」を発見。過去半世紀のあいだに華々しい発展を遂げた素粒子物理学の理論体系がわかる。あまり手加減はされていないので、じっくり読んでみるとよいだろう。また、素粒子物理学全体を概観できるだけでなく、その発展過程で物理学者たちがどのように考えて、その学問体系を築いてきたのかということもわかる。少し古いので最新の研究については書かれていないが、素粒子物理学の理論体系を本格的に学ぶ前に、素粒子物理学とはどのような学問かを知るのに役立つ。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

ロウソクの科学

ファラデー

ろうそくが燃えるという現象は、身近な現象だが、さまざまな物理・化学のエッセンスが濃縮されている。著者のマイケル・ファラデーは、19世紀の化学者・物理学者。電磁気学および電気化学の分野での貢献で知られている。この本は、ファラデーの講演記録。物理学と化学の分野で偉大な足跡を残した大科学者ファラデーの著名な科学啓蒙書であり、彼の科学との向き合い方がよくわかる書だ。 (竹内敬人:訳/岩波文庫)



物理/素粒子、宇宙

星のかけらを採りにいく 宇宙塵と小惑星探査

矢野創

2010年、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は地球帰還を果たした。前人未到の試みだったのは、地球重力圏外にある小惑星イトカワに着陸して、宇宙塵、つまりその星のかけらを人類で初めて持ち帰ったことだ。著者はその試料採取任務の責任者で宇宙塵の専門家。この本は、宇宙塵を分析することで地球外物質が発見されれば、それは太陽系や生命の誕生の謎を解明する手がかりになる大きな可能性があることを伝える。宇宙塵研究、さらには宇宙探査の現場から新たな挑戦を語る。 (岩波ジュニア新書)



数学

素数の音楽 

マーカスデュ・ソートイ

リーマン予想という数学の難題に挑んだドイツの数学者リーマンは、2,3,5,7,11…と続く素数の分布の規則性に関する予想をした。この予想を証明しないまま彼は死去したため、数学上の最大の謎とされてきた。今も未解決である。この本は、リーマンを数学界のワーグナーとなぞらえ、素数が奏でる音楽に挑んだ天才数学者たちと、素数研究の歴史を素人向けにわかりやすく解説している。 (冨永星:訳/新潮文庫)



地球科学

手足を持った魚たち 脊椎動物の上陸戦略

ジェニファ・クラック

海で誕生した生物は、海や河川・湖などの水中で進化してきた。そのうち、植物の一部が上陸する。少し遅れて動物が上陸する。脊椎動物の上陸は、3億6000万年前のデボン紀のころという。この本は、生物の上陸という生物進化史上の重要事件の謎に、化石の研究を通じて迫っていく様子が描かれ興味深い。講談社現代新書からは、「生命の歴史シリーズ」として、『カンブリア紀の怪物たち』と『失われた化石記録―光合成の謎を解く』が出ていて、本書はシリーズ3冊目。 (松井孝典:監修、真鍋真、池田比佐子:訳/講談社現代新書)


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