地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

ウォルター・ルーウィン

X線宇宙物理学が専門のマサチューセッツ工科大学の教授による、文字通り体を張った数々の実験を交えた物理学の名講義が本になった。エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕いてみせる。著者の熱意がひしひしと伝わって来る読み物で、物理学を楽しく体験的に勉強することができる。 (東江一紀:訳/文藝春秋)



物理/素粒子、宇宙

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来

宮原ひろ子

著者は太陽物理学、宇宙線物理学、宇宙気候学が専門。宇宙気候学とは、地球の気候変動に対する宇宙現象の影響を研究対象とした学問のことで、この本はその学問に立脚し、地球気候の長期変動と太陽活動との関係をていねいに書いている。太陽活動と地球環境との関係は簡単に紐付けできないが、その現状認識を知る良書のひとつ。 (DOJIN選書)



物理/素粒子、宇宙

量子力学と私

朝永振一郎

日本で最初のノーベル賞学者・湯川秀樹博士と2番目の受賞者・朝永振一郎博士は、第三高等学校(京都大学)時代、机を並べて量子力学を勉強していたという。二人の好敵手の性格は対照的。この本の著者、朝永博士は「(湯川さんと違い)私は大学生のときとても悪い健康状態だったこともあり、また呑ん気なものだから、量子力学がどんなものかは全然知らなかった」と書いている。この本は著者のウイットに富んだ逸話に混じって、困難を極めた新しい学問への取り組み、量子力学の歴史、ノーベル賞受賞理由のくりこみ理論をやさしく語る。原子分子の性質を理解するために必要な、量子力学という現在の最も基本的な概念をわかりやすく解説している。 (岩波文庫)



物理/素粒子、宇宙

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る 

大栗博司

ニュートンの万有引力という言葉で知られる重力は、地上において物体が地球に引き寄せられるだけではなく、星の誕生にも大きく関わる力である。重力研究は、ニュートン、時間と空間が伸び縮みするアインシュタインの相対論の世界から、ホーキングの量子重力論を経て、宇宙は10次元だと考える超弦理論(超ひも理論ともいう)へ進展している。重力に関する疑問を持ち、物理に興味のある高校生ならお勧めの一冊。 (幻冬舎新書)



人に話したくなる物理 身近な10話

江馬一弘

冷蔵庫、電子レンジ、台風の雲の流れ、コマの運動、走っている自転車など身近にある様々な機器や物理現象を対話形式で解説。光物性研究の第一人者が執筆し、文系の大学生向けの一般教養科目の内容をまとめた本。図も多く大変わかりやすい。高校物理ではあまり触れられていない内容が多いが、応用物理学の考え方を学ぶのに良い。 (17025研究会:編/丸善出版)



物理/素粒子、宇宙

新装版 マックスウェルの悪魔

都築卓司

「空気はなぜ雪のように地上につもらないのか?」これに対し、「空気は雪よりも軽いから」「落ちる途中で衝突して再び上っているから」等、様々な回答が思いつくだろう。答えはぜひ読んで欲しい。本書タイトル「マックスウェルの悪魔」は、混ざってしまった水と酒とをもとの水と酒とに分けてくれる小人として登場する。さらに彼らはエネルギー源のない発電所を稼働させ、動力のない車を動かす。そんな小人の存在の可能性に気づかされる本書。高校物理で学ぶ熱とエネルギーの正体を、分かりやすく、しかし簡単にしすぎず解説した良書。40年以上前、1970年に初版が出たが、最後の章で熱力学的観点から我々が現在暮らす2000年代の社会の予測をしており、その予測がほとんど当たっているのにも驚かされる。 (ブルーバックス)



数学

無限論の教室

野矢茂樹

この本の中に無限について有名なアキレスと亀の話が出てくる。足の速いアキレスは亀より後ろの位置からスタートした。アキレスが亀のスタート位置まで走る間に、亀は何メートルか進む。 しかしその亀の位置までアキレスが走る間に、亀はさらに前へ進んでいる。 その位置までアキレスが走る間に、さらに亀は…このようにアキレスは永遠(無限)に亀に追いつけない、というパラドックスだ。この本は無限に関する素朴な問いに始まり、オーストリアの数学者ゲーテルが数学的命題について示した不完全性定理まで、哲学者の野矢先生が語る。高校数学で学ぶ無限という概念がいかに漠然としたものであるかを知ることができる。 (講談社現代新書)



物理/素粒子、宇宙

宇宙が始まる前には何があったのか?

ローレンス・クラウス

宇宙が始まる前には何があったか? 古典的理論では物質もエネルギーもない。つまり真空だが、現代の量子論的宇宙論では、真空は仮想粒子の対生成と対消滅が常に発生しており、決してエネルギーゼロ空間ではない。この真空のエネルギーがビッグバン時に開放され、今の宇宙を創った。この本の著者は、宇宙から生命、人類までの起源を探る「起源プロジェクト」を作った米国の宇宙物理学者。彼は、「宇宙の真空のエネルギーは非常に小さいがまだゼロではない」という仮説を提出し、そのエネルギーがまだ宇宙を膨張させると説く。宇宙の加速膨張から宇宙の未来について考えることができる。NHK Eテレで放送の『宇宙白熱教室』テキストとも言うべき一冊。 (青木薫:訳/文春文庫)



地球科学

ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語

スティーヴン・ジェイグールド

約5億年前のカンブリア紀のバージェス動物群という海棲動物を紹介した書籍。進化生物学者である著者は、現在に子孫を残していないこうした動物たちを「奇妙奇天烈動物」と呼び、古生物学の見地から進化を一般向きに解説し、ベストセラーになった。進化、動物の多様性、多面性、また表面的には複雑怪奇に捉えてしまいがちな事象・現象に潜む原理・法則性を見出すことの歓びを感じて欲しい。 (渡辺政隆:訳/ハヤカワ文庫)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるボルツマンの原理 熱力学と統計力学を理解しよう

竹内淳

「熱力学」と「統計物理学」を結ぶ「ボルツマンの原理」が数式を使って理解でき、「乱雑さ」ともいわれるエントロピーの意味までわかるようになる良書である。途中で高校以上の数学も出てくるがわかりやすく解説されているので心配はいらない。初めの方で、ワットジュール、カルノー、クラウジウスなど「熱力学」と「統計物理学」で登場する偉大な科学者たちの業績と理論が読み物として面白く書かれている。ここを過ぎると、ボイル・シャルルの法則、熱力学の第1・第2法則、気体分子運動論など高校物理でおなじみの理論から始まり、大学レベルの「熱力学」と「統計物理学」の内容までを数式を使いながら解説し、目標である「ボルツマンの原理」の理解へと読者を導いてくれる。 (ブルーバックス)



地震・プレート・陸と海 地学入門

深尾良夫

高校で習う地学は、地球科学の略称だ。つまり地球を研究対象とする自然科学。この本は、地球科学の中でも比較的浅い領域に対象を絞って、地震学に基づく地球表層のプレートの振る舞いをわかりやすく紹介している。専門的にいうと、固体地球惑星物理学の手法として、地震観測と地震波速度解析から得られる知見をわかりやすくまとめている。地震によって地球内部を知る方法は、胎児の診断を超音波エコー法で行うのとほぼ同じという。地球内部の浅い領域は人間の生活とも密接に関連し、読者も自分の問題として読むことができる。 (岩波ジュニア新書)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかる相対性理論 特殊相対理論の完全理解を目指して

竹内淳

20世紀の物理学に衝撃を与えたのは、アインシュタインの「相対性理論」だ。1905年に特殊相対性理論を発表し、10年後に一般相対性理論を発表したが、両方に共通し重要なのは、「時空間の概念を大きく変えた」こと。この本では特殊相対性理論を扱うが、実はその数学のレベルはそれほど高くなく、高校の数学と物理学の知識があれば、特殊相対性理論をほぼマスターできると書かれている。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

宇宙と生命の起源 ビッグバンから人類誕生まで

嶺重慎、小久保英一郎

私たちの宇宙は137億年前、ビッグバンに始まったと言われる。原子ができ、銀河が生まれ、宇宙の大規模な構造が形成され、自ら光を発する恒星と惑星ができ、その1つとして太陽系が形成され、水の惑星=地球が生まれ、生命が誕生した――。この本はそれらが物理学の視点が説明されている。物理学が、宇宙や生命などあらゆる現象の根底にあることを実感することができる。 (岩波ジュニア新書)



地球科学

貝のミラクル 軟体動物の最新学

奥谷喬司

貝類とは、軟体動物のうち貝殻を持つものの総称、または貝は軟体動物の別称としても使われる。この本は、世界に7~8万種はいるといわれる貝類を含む軟体動物のユニークな生態を、エピソードを混えて紹介する。古生物学、生物学、水産学など多方面から貝の謎に迫っていて、読みやすくわかりやすい。 (東海大学出版部)



数学

カオスとフラクタル

山口昌哉

カオスとは、ギリシャ語で混沌という意味で、自然の中の複雑な現象を解く数学のこと。例えば竜巻のように、最初の動きがわかってもその後のでたらめな動きから生じる数的誤差により予測できないような複雑な様子を示す現象を扱う。フラクタルとは、やはり複雑な自然の形象を幾何学で表したもの。図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。身近な例では、ロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になったものや、リアス式海岸のような自然の複雑な形象がある。カオスとフラクタルは、身近で美しい現象であり、物理学、数学においてもたいへん面白い話題だが、この本はその一般向けの解説書。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

近代科学を築いた人々

長田好弘

全三冊を通じて、力学、 熱力学、 統計力学、 電磁気学から電子、 原子・分子といったミクロな世界の法則に繋がる物理学の発展の歴史を、それぞれの時代の思想的背景と関連させて忠実に解説している。〈上〉では「科学への夢/原子/電子/力学」と題して原子、電子の発見と力学の先駆者を、〈中〉は「周期律/光/電磁気の先駆者」を、〈下〉は「進化思想/熱力学/統計力」と題し、産業革命によって育まれた熱力学の建設、マクロとミクロの世界の架け橋となった統計力学の構築に挑んだ人々を紹介する。 (新日本出版社)



物理/素粒子、宇宙

プリゴジンの考えてきたこと

北原和夫

時間はなぜ未来に流れるのかを突き詰めた科学者プリゴジン。非平衡の研究でノーベル賞を受賞したプリゴジンについて、その研究内容と人となりを30年指導を受けてきた著者が描く。高校の化学の知識で読み切れる。 (岩波科学ライブラリー)



地球科学

地球のしくみを理解する 広島大学理学部地球惑星システム学科へようこそ

広島大学理学部地球惑星システム学科編

広島大学理学部地球惑星システム学科は、「地球」の表層や内部で起こっている自然現象を、物理・化学・生物・地学の諸過程が複雑に絡み合ったシステムと捉えた研究をしている。対象は地震、断層、造山運動、風化、マントル対流等。この本は、同大学地球惑星システム学科編として、地球惑星科学に興味を持つ高校生や一般に向けて、同学科の教員がどういった研究を行っているかを紹介する。執筆は、同学科の地球惑星物質学、地球惑星化学、地球惑星物理学の3グループが、分担している。ちなみにカリキュラムは、基礎科目から専門科目へと段階的に体型化されているので、高校時代に地学を学習していなくても大丈夫とのこと。 (広島大学出版会)



地球科学

地球進化 46億年の物語

ロバート・ヘイゼン

岩石・鉱物・鉱床学が専門の著者は言う。「地球は常に変化し、進化し続けている惑星だ。中心の核から地殻まで、絶えず変わっていく。現在も、地球の大気、海洋、陸地は、おそらく近年に例のないスピードで変化している」と。特に興味深いのは、地質学と生物学は、驚くような形で絡み合っていることを見出したことだ。「生命そのものが岩石から生まれたのかもしれない」と著者は言う。鉱物と生命の共進化の過程、言い換えると地質学と生物学の進化は驚くような形で絡み合っているが、それが注目されるようになったのはごく最近のこと。鉱物自体が地球進化とともに“進化”していったという観点が新しくかつ面白い。 (円城寺守:監修、渡会圭子:訳/ブルーバックス)



不変量と対称性 現代数学のこころ

今井淳、中村博昭、寺尾宏明

上級の発想に触れる、数学エッセイ。本書の解説にもあるように、「より高い視点から視野を広げて見渡し普遍的なものを抽出して物事の解決をはかるという数学に典型的な発想法」を味わうことができると思う。代数方程式のガロア理論、2次元トポロジー、結び目理論などを紹介。高校生には難しい箇所もあるが、数学全般の入門書となりえるだろう。 (ちくま学芸文庫)


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