植物を環境ストレスに強くする技術の開発
異常気象が農作物に悪影響
植物は動くことができないため、暑さ、寒さ、乾燥、土の中の過剰な塩類など、環境からの様々なストレスにさらされています。
植物はこうした環境の変化に適応し、生きていく能力を備えています。しかし、近年の異常気象によって植物が適応できる範囲を超えた環境ストレスがかかり、その結果、農作物の収量や品質に悪影響が出ています。
みなさんも猛暑で野菜の価格が高騰したというニュースを耳にしたことがあるのではないでしょうか。私たちは、こうした環境ストレスに対して植物がどのように適応しているかを明らかにし、ストレスに対してより強くするための技術開発を目指して研究を行っています。
身近なエタノールが農薬に
これまでに、アルコール消毒に使われる身近な化合物である“エタノール”を植物へかけることによって、様々な種類の植物を高塩・高温・乾燥ストレスに対して強くできることを発見しました。
エタノールは安価で毒性が低いことから、農薬として利用することで、異常気象でも安定して作物を作ることができるようになると期待できます。
植物の100万種以上の化合物に注目
また、植物が作ることができる化合物は100万種を超えると考えられています。私たちは、植物が作り出す化合物のなかから、環境ストレスへの耐性を強化できる化合物がないかについても調べています。
こうした研究を通して、食料問題や環境問題改善に貢献していきたいと考えています。
以前研究所時代にベトナム人留学生と別の実験をしていた時に、偶然エタノールを使って植物をストレスに強くできることを発見しました。
最初はエタノールのような身近な化合物で、本当にストレス耐性が強化できるのだろうかと半信半疑だったのですが、再現性を取るうちに本当であることがわかり、面白い研究テーマとなりました。
セレンディピティとはこういうことなのだなと思いました。日々の実験結果を大切に研究に取り組んでいくことの大切さを実感しました。
「エタノールによる耐塩性と疑似的な低酸素誘導メカニズムの解明」
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「7.生物・バイオ」の「21.分子生物学・細胞生物学・発生生物学、生化学(生理・行動・構造等 基礎生物学も含む)」
◆主な業種
(1) 食品・食料品・飲料品
(2) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品
◆主な職種
(1) 製造・施工
(2) 品質管理・評価
(3) 営業、営業企画、事業統括
生物機能科学科では、植物・動物・微生物といった生物から有機化学まで広く多様な分野を学び、研究することができます。
高校生の間に具体的にやりたいことを見つけるのは難しいと思います。当学科では入学後に勉強するなかで、自分のやりたいことを見つけることができるというメリットがあります。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 生き物は面白いので、もう一度戻っても生物学を選ぶと思います。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ベトナム。ベトナム人留学生と接する機会が多くあり、優しい人が多い印象のためです。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 大学の研究室で藻類のお世話をするアルバイト。海藻の再生能力の高さに驚きました。 |