土器生産を調べると、古代国家形成がみえてくる
資料を読み解き、歴史を浮き彫りに
もともと私は、歴史があまり好きではありませんでした。過去のことを知るだけではつまらないと思っていたからです。しかし、資料をどのように分析し読み解くかによって、様々な歴史が浮き彫りになることを知り、研究を始めてみると、その魅力にとりつかれました。現代に生きる私たちの関心から課題を探し出し、新たな歴史が見えてくることがあるのです。
大規模生産への移行期に注目
日本の古代国家形成の解明を目指し、弥生時代が始まる前800年頃からの長い時間幅で、考古資料から研究しています。この研究テーマに魅力を感じ、日本社会の基盤が農耕にあるならば、弥生時代から古代国家形成のプロセスを研究しようと考えたのです。
特に土器生産を主たる対象とし、それぞれの世帯や集落で生産されていた土器が、政権に管理された大規模生産へ移行する様相に注目して、国家形成へつながる社会変化を研究しています。4世紀末~5世紀初めになると土器窯が導入され、専門の工人が誕生しますが、それ以前の段階で専業化への道を歩み始めていることがわかりました。1世紀頃には効率的な製作技法を取り入れ、2世紀頃には集約的な生産が一部の地域で始まるのです。
東アジア情勢の中で、土器生産はどう変化してきたか
実は、朝鮮半島でも同じ時期に土器生産において技術革新が起こり、専業化への道を歩みはじめます。これは、朝鮮半島や日本列島で首長層が台頭し、集権的な政権を形成することを背景にしており、漢の弱体化が東アジア全体に影響を及ぼしたからだと考えられます。現在は、さらに窯導入期の土器生産について研究を進めています。
従来の研究にはなかった、中国や朝鮮半島の土器生産と比較する方法で研究すると、東アジアの情勢の中でどのような生産の変革が起こってきたか、これまでとは異なる土器生産の歴史が描けるのではないかと期待しています。
「中国辺縁部における漢代以降の窯技術拡散と政体の窯技術受容に関する考古学的研究」
本や論文で知識を得るだけでなく、博物館や史跡に足を運び、実物を見ることを勧めています。
◆業職種
(1) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等での文化財専門職
(2) 中学校・高校教員など
◆学んだことはどう生きる?
卒業生は、各都道府県や市町村で遺跡発掘や文化財の保存活用を行っています。また、宮内庁や文化庁で文化財に関わる仕事をする卒業生もいます。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 建築か農業。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 北欧。女性が働きやすい環境にあるから。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『ニュー・シネマ・パラダイス』 |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 発掘のアルバイト。 |
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Q5.会ってみたい有名人は? アンゲラ・メルケル首相 |