アインシュタインの相対性理論に影響を与えたことで有名なドイツの数学者に、リーマンというドイツの数学者がいます。19世紀を代表する数学者の一人ですが、20世紀になって、彼のそれぞれの研究分野で再評価されるようになりました。彼の名前の残っている数学用語はいくつかありますが、その中にリーマンのゼータ関数があります。ゼータ関数とは、複素関数と呼ばれるタイプの関数で、複素数を変数にとります。ゼータ関数は数学的には整数論のみならず、数理物理など現代物理学に大きな影響を与えています。
私の専門は整数論です。解析学的な手法を中核に据えて、解析的整数論における重要な研究対象であるゼータ関数の構造の解明を目指しています。整数論は、「整数の性質を知りたい」という素朴な好奇心から出発した分野ですが、今や素粒子論や宇宙の成り立ちにもつながる壮大な理論体系となっています。その研究を通して数理科学の基礎にある新しい原理に到達できればと考えています。もっとも、実社会に影響するのは数百年後かもしれませんが。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→大学、高専、高校
- ●主な職種は→教員
- ●業務の特徴は→教育、研究
分野はどう活かされる?
やはり学んだ数学的知識やセンスを生かして、教育職、研究職に就く卒業生が多いようです。
代数学・整数論は、全数学の中でもおそらく日本がもっとも得意とする分野で、既に歴史に名を残した日本人数学者も多く、今日も世界をリードする人々が(老大家も、若手の俊英も)たくさんいます。世界的な研究センターの一つだと思います。この伝統を次世代にも引き継いでいってもらいたいと思っています。