少子化が進むと将来経済活動を担う人材が減少し社会保障費を負担する人口も少なくなって、国全体の豊かさが低下します。また社会の高齢化は医療費や社会保障費を増大させるとともに、高齢者が暮らしやすく安全なまちづくり、住まいづくり対策も必要となります。探究学習では、たとえば現代社会・公共や政治・経済、家庭科から「高齢者から話を聴いたり高齢者疑似体験をしたりして、公共の場や住居の改善策を考える」、「子育てや高齢者のサポートなどに関する地域の特徴を調べ、地域社会でできることを考え提案する」といった活動が考えられるでしょう。
少子高齢化社会に関する取り組みは、SDGsでいえば「3.すべての人に健康と福祉を」と「8.働きがいも経済成長も」につながります。生活に困窮する子育て中の人や要介護者を抱える家庭の人が健康に暮らせる社会、子育て中の人が働きやすい社会、高齢者が元気で働き続けられる社会の実現は、個人の幸せだけでなく経済成長にとっても大切です。
子育てや高齢者、高齢者を抱える家族のサポートは【社会福祉学】、国の社会保障や医療費負担のあり方は【財政・公共経済】、福祉行政は【政治学】が関係します。家庭に目をむけると、子育てや介護など家庭生活の問題は【家政・生活学一般】、衣服や住居は【衣・住生活学】、食事は【食生活学】が関係します。また、子どもに関すること全般は【子ども学(子ども環境学)】で研究されており、高齢者の身体機能や低下した機能の向上は【リハビリテーション科学・福祉工学】が関係します。さらに、【ウェブ情報学・サービス情報学】では医療・福祉、子育て中の人、高齢者向けのウェブサービスの研究が行われているというように、IT関連の学問も少子高齢化問題に貢献しています。そして少子高齢化による社会問題は【社会学】で研究されています。
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家政・生活学一般 家庭生活を科学的に学ぶ |
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財政・公共経済 国の財政問題を解決したい |
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社会福祉学 社会的弱者の権利を守りたい |
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衣・住生活学 ファッションもハウスも機能的な装いを! |
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子ども学(子ども環境学) 子どもを理解し、取り巻く環境を改善しよう |
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リハビリテーション科学・福祉工学 最先端リハビリ・福祉機器を作りたい |
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食生活学 健康で病気予防につながる、食事の提案 |
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政治学 国の統治、地域行政、戦争の克服。民主主義を問う |
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社会学 社会って何? 客観的に捉え直し課題を提示 |
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ウェブ情報学・サービス情報学 SNSなどWEB上での新サービス開発 |