◆城郭◆

敵を撃退するために構築された堅固な建築物

城郭は、敵の襲来に備える軍事拠点として成立し、日本では南北朝時代や戦国時代に増加した。中国および古代・中世のヨーロッパでは、都市を城壁の中に取り込む城郭都市が多く築かれた。

歴史の各分野で城廓に関する研究が行われており、【日本史】では、城の原型である弥生時代の環濠集落から近世の城郭までの変遷と城をめぐる歴史に迫る。【アジア史・アフリカ史】、【ヨーロッパ史・アメリカ史】では、古代ローマや中国など各地の城郭や城塞都市についての研究が行われている。

【考古学】では、発掘調査を通じて城郭の規模や形態、城郭の暮らしなどを明らかにする。日本も外国も、古代以前だけでなく中世や近世の城廓も発掘対象となる。また、城廓と集落など地理的な要素に関する研究は「歴史地理」という【人文地理学】の中の一分野となる。建築学の【建築史・意匠】の分野でも、城の建築デザインの研究が行われている