数学の大統一に挑む
エドワード・フレンケル
旧ソ連に生まれた数学者フレンケルは、父がユダヤ人ゆえにモスクワ大学は不合格。しかし彼は諦めなかった。現在はアメリカ在住の世界的数学者であり、ラングランズ・プログラムの探求により数学の大統一に挑むフレンケルの自叙伝。彼がいかにこの学問分野の数学を学び、いかに研究を進めたかが生々しく描かれる。また、決して一人の力で数学を極めたわけではなく、人との繋がりの中で数学者として成長していったことがわかる。松本紘京大前総長は「学問とは真実をめぐる人間関係である」と述べているが、個人プレーばかりと思われがちな数学も、真実をめぐる人間関係なのだ。現代数学の様々な概念も式をほとんど用いずに平易に解説されている。
(青木薫:訳/文藝春秋)
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