環境系の本

地震前兆現象を科学する

織原義明、長尾年恭

地震の短期・直前予知の重要性はますます高まっており、研究も進んでいるが予知には至らない。著者の長尾年恭先生(東海大学)は、いろいろな地震前兆(地震先行現象)現象に着目し、その解明に挑んでいる。本書は、地球規模で生じる電磁気現象と、電波観測から得られる地震の予兆現象を科学的に考察する。「馬鹿にできない地震発生のうわさ」についても、実例を挙げて紹介している。 (祥伝社新書)



学んでみると気候学はおもしろい

日下博幸

「気候」という言葉の意味から、地球温暖化の最新研究まで、気候学の基本が学べる入門書。用語や知識から入るのではなく、初めて学ぶ人でも分かりやすいよう、平易な言葉とイメージの湧きやすい説明が中心となっている。 (ベレ出版)



地球温暖化の真実 先端の気候科学でどこまで解明されているか

住明正

著者は、東京大学気候システム研究センター(現・海洋研究所)時代、地球温暖化予測のツールとして新しい気候変動モデルを構築した気象学の重鎮であり、日本の気候予測研究を大きく前進させた功労者。この本は、地球の誕生時から現在までに至る経緯を解説するとともに、地球温暖化の実態とその対処について、一般人を対象に解説し、高校生向けとしても適している。 (ウェッジ選書)



朽ちていった命 被曝治療83日間の記録

NHK「東海村臨界事故」取材班

1999年9月30日、東海村の核燃料加工施設JCOにおいて、我国で初めての臨界事故が起き、3人の作業者が重度に被曝した。被曝直後は意識があった作業員の容体は時間を追って悪化していく。ここから、医療スタッフによる患者の生命を救うべく、83日間の壮絶な闘いが始まった。放射線による大量被曝がどのような生体影響を与えるのかを知る貴重な記録である。 (新潮文庫)



巨大津波 地層からの警告

後藤和久

地震や噴火、津波など、過去数万年にわたる自然災害の痕跡が地層から見えてくる。地層が教えてくれる歴史と今後への警鐘を分析しまとめたもの。古津波研究で世界をリードする若手研究者による著書。津波堆積物に関する入門書として。 (日本経済新聞出版社)



胎児の複合汚染 子宮内環境をどう守るか

森千里

胎児の先天異常が何故生じているかの解明や、複合汚染のリスク評価をどのようにすべきか、今なお、「環境リスク制御・評価」分野での最先端の研究テーマとなっている。1997年、「奪われし未来(シーア コルボーンほか:著)」という本が出版され、「環境ホルモン」と疑われる化学物質によって、次世代(生まれてくる赤ちゃん)への悪影響などが懸念され社会問題となった。この本は、その数年後に出版された本だが、胎児への化学物質の悪影響は現在も世界的に重要な研究課題となっていることがわかる。この本では、本問題の重要性を指摘するとともに、化学物質のリスク評価研究の更なる発展の重要性や、予防のための考え方を提案する内容となっている。 (中公新書)



川のなんでも小事典

土木学会関西支部:編

地球上の水と物質循環の大動脈である川の仕組みについて、わかりやすく説明されている。川の形、流れ、その生態系、川をつくり治める知恵、川を使い楽しむ知恵など、川を知り川と共生するための知識が得られる。 (ブルーバックス)



食のリスク学 氾濫する「安全・安心」をよみとく視点

中西準子

食品の安心・安全という身近な問題は、リスク評価の視点から見るとどうなっているかを、環境リスク学の第一人者である中西準子氏がわかりやすく解説する。リスクの視点をもって事象を見ることの重要性が理解できる。 (日本評論社)



里山資本主義

藻谷浩介

都市における経済発展と、環境保全の両立にあたっては、様々な学問領域からのアプローチが重要となる。この本は、休眠資産である里山において、再生可能エネルギーの活用や地域コミュニティづくりなどをいかにして成功させ、都市の発展から環境とエネルギーを守るかをわかりやすく述べている。 (NHK広島取材班/角川新書)



生命とは何か 物理的にみた生細胞

シュレーディンガー

著者は、生命の特質を「すべての物理現象に押し寄せるエントロピー(無効エネルギー)増大の法則に抗して、秩序を維持しうること」と指摘している。地球を一つの生命体として考えた時、社会システムの持続可能性や自然共生のカギとなるのは、対象とする系内のエントロピーの増大をいかに防ぐか、ということになる。「生命との本質」と「持続可能なシステムの本質」は共通しているとも考えられるため、その観点からぜひこの名著を読んでもらいたい。 (岡小天、鎮目恭夫:訳/岩波文庫)


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