環境系の本

科学の方法

中谷宇吉郎

著者は物理学者。東大理学部時代の恩師が「天災は忘れたころにやってくる」という言葉で有名な物理学者の寺田寅彦。著者自身は世界初、人工雪の製作に成功する一方で、恩師と同様、科学を一般向けにわかりやすく伝える方法として随筆をよくしたことで知られる。この「科学の方法」も同様、科学的方法とは何か、科学ができることの限界について一般向けに書かれ、長く読み継がれている。福島原発事故でみんなが感じた科学の限界など、今の科学とは何かを考えるうえで一つの指針になるだろう。 (岩波新書)



基準値のからくり 安全はこうして数字になった

村上道夫、永井孝志、小野恭子、岸本充生

環境基準の値を超えれば危険、超えなければ大丈夫というように考えている人がいるが、本当にそうだろうか。基準値の意味を知らずに、過剰に不安を感じたり、逆に悪影響が懸念される状態なのに慣れてしまって気にしないというのも困る。この本は、環境だけでなく、食品や放射線など、基準値の決まり方について考えることが出来る本だ。基準を超えることの意味を理解し、適切な対応とは何かを考えるための有用な知見が得られる。 (ブルーバックス)



里山資本主義

藻谷浩介

都市における経済発展と、環境保全の両立にあたっては、様々な学問領域からのアプローチが重要となる。この本は、休眠資産である里山において、再生可能エネルギーの活用や地域コミュニティづくりなどをいかにして成功させ、都市の発展から環境とエネルギーを守るかをわかりやすく述べている。 (NHK広島取材班/角川新書)



海の科学 海洋学入門

柳哲雄

海を科学的・多面的に捉えた、ロングセラーの海洋学入門書。1988 年に出版されてから、多くの大学で教科書として採用され、2011年に改訂版も出ている。平易な叙述と系統だった海洋学の知識の解説は初学者に適し、海洋科学を系統的に理解することができる。 (恒星社厚生閣)



もやしもん

石川雅之

微生物が見える特殊な能力を持った大学生。そのキャンパスライフを描いた奇想天外な漫画。微生物がキャラクター化されていて親しみやすい一方、学術的な内容も含まれており、研究室の学生にもよく読まれている。 (イブニングKC)



ザ・コア

ある日の午前、鳩の大群など動物の異常行動を皮切りに、多数のペースメーカー使用者の突然死やスペースシャトル電子機器異常などで、地上は大混乱に陥る。調査の結果、これらの原因は地球の核(コア)の回転が停止し、地球の磁場が不安定になったからだと突き止める――。2003年、アメリカのSFパニック映画。地球内部がどのようになっているのか、地球の環境がどのように維持されているのか、地球磁場がどのくらい大切なものなのか、マリアナ海溝とは何なのかなどを知ることができる。



もののけ姫

太古の深い森、荒ぶる神々と聖域を侵す人間人間の戦いを描いた宮崎俊監督の長編アニメーション映画。自然環境に関する考え方の根本を学ぶことができ、さらに日本列島の歴史のなかで培われてきた環境思想とは何かを、どんな書物よりも深く考える手がかりを与えてくれる。 (宮崎駿:監督)



不都合な真実

2006年のアメリカ映画。環境問題の論客として知られるアル・ゴア元米国副大統領が、地球温暖化を喧伝するスライド講演に生い立ちを辿るフィルムを交える構成のドキュメンタリー映画だ。2007年、環境啓蒙活動が評価され、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とともに、ゴアはノーベル平和賞を授与されている。映画と同名の書籍も出版している。 (アル・ゴア出演)



みんなのくらしと放射線

放射線が暮らしの中でどのように利用されているか、また放射線はどこまで安全でどこまで危険かを解説した本。この本は福島第一原発事故以前に書かれた本であるため、福島第一原発事故以降により詳しくわかりやすい本は多数出版されているため、併せて読むと良いだろう。 (「みんなのくらしと放射線」知識普及実行委員会:編/大阪公立大学共同出版会)



地球温暖化の真実 先端の気候科学でどこまで解明されているか

住明正

著者は、東京大学気候システム研究センター(現・海洋研究所)時代、地球温暖化予測のツールとして新しい気候変動モデルを構築した気象学の重鎮であり、日本の気候予測研究を大きく前進させた功労者。この本は、地球の誕生時から現在までに至る経緯を解説するとともに、地球温暖化の実態とその対処について、一般人を対象に解説し、高校生向けとしても適している。 (ウェッジ選書)


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