高齢ドライバーの安全運転を支援する交通IoTシステム
「当たり前」の移動の自由を維持したい
学校、コンビニ、ショッピングモールなど、日々私たちは自宅と外の施設との間を移動しています。自分が行きたい場所に、いつでも、安心・安全に行くことができる、この「当たり前」にある移動の自由、モビリティを超高齢社会においても維持する、これが私の研究テーマです。
車の運転は、人と機械(車)が協調して、車両を自分が希望する場所まで移動させるというタスクを実行します。機械はエンジンや車体の制御を担当し、人は周辺の安全確認やハンドル操舵、アクセルやブレーキの操作を担当します。
私たちの身体的、認知的な機能は年を重ねるごとに低下していきます。世界有数の高齢化大国である日本において、機械が高齢者の身体的、認知的な機能をうまくサポートすることができれば、高齢者を含めた私たち一人一人が安心して外出できるモビリティ社会の維持につながる、それが私の研究の目指すところです。
人の機能が衰えるような代行には疑問
ここで、高齢の人は免許を返納すればいいじゃない、と考える方もいるかもしれません。しかし、話はそう簡単ではなく、高齢化の進展とともに、特に地方部において公共交通の担い手も高齢化が進んでいます。自分が外出したいと思ったその時に外出できる、この「当たり前」を維持するために、情報通信技術を用いて高齢者の「運転寿命」を延ばすための取り組みを進めています。
そのためにはどんなサポートをすればいいのでしょうか。私は、機械が人のタスクを「代行」してくれることは、必ずしもその人にとって良いことではないと考えています。機械が代わりにタスクをやってくれることで、その分、人の機能が衰えてしまうのではないかと思うのです。
安全運転AIが本当に必要な時にだけサポート
お節介な代行ではなく、車に取り付けたドライブレコーダ映像をAIで解析することで機械が人の「見守り」をして、安全運転AIが本当に必要な時にだけサポートしてくれる、交通IoTシステムの研究開発を行っています。機械がお節介に人の代わりを務めるのではなく、人によりそった安全運転支援を実現するため、毎日試行錯誤しています。
大学院では画像処理を専門にしていましたが、就職して最初に配属された部署ではカメラNGの病院内において、装着型センサを用いて医療従事者の行動計測・理解を行うという、まったく分野違いの研究をすることになりました。最初は戸惑いましたが、そこで取り扱う数学手法はほぼ同じだったので、上手く適応できました。
その後、行動計測技術を自動車ドライバーに応用しないかという誘いを頂き、今に至ります。基礎的な数学手法の知識と、異分野に対する好奇心が、今の自分を形作ってくれたと感じています。
「高齢ドライバーの見守り・安全運転支援のための交通IoTシステムの開発」
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「13.IT・AI」の「48.人工知能・機械学習、画像(CG等)、インターフェース系」
◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) 交通・運輸・輸送
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 保守・メインテナンス・維持管理、運用・システムアドミニストレータ・サービスエンジニア
◆学んだことはどう生きる?
私の研究室の卒業生は自動車メーカーに就職することが多く、研究室で学んだ知識を活かしてヒューマンインタフェース開発や自動車分野におけるAI応用研究開発などに携わっています。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 機械工学:人と機械の係わりをずっと人の側から研究してきたので、機械の側から見てみたいです。 |
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| Q2.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 研究所向けのオーダーメイドのソフトウェア開発 |
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| Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 料理:コロナ禍以降、外食の代わりにレストランの味を再現するのに凝っています。 |
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| Q4.好きな言葉は? 為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり |

